ブラームスを考える

  • 西原 稔(桐朋学園大学教授)
講師詳細

 交響曲第2番を完成した時期にブラームスはさまざまな創作の試みを行う。このシリーズでは1878年完成の「8つの小品」から1881年完成の「ピアノ協奏曲第2番」までのブラームスの創作とその課題を取り上げる。この間にブラームスはヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲第2番、2曲の序曲、「悲歌」を完成しており、彼の創作の領域の拡大が図られた。この時期の創作は後期様式の表現がみられるようになる点でも非常に注目される。(講師・記)

1月17日:「8つのピアノ小品集」(作品76)と後期様式の予兆
 1878年、ブラームスは13年ぶりでピアノ作品の作曲に取り組む。そして完成された「8つのピアノ小品集」はその後の後期様式をいち早く示している点で注目される。この回はこの小品集とピアノ作品「2つのラプソディ」を取り上げる。

1月31日:ヴァイオリン協奏曲の創作過程と作品
 1878年、ブラームスは初めてのヴァイオリン協奏曲の作曲に取り組む。この作品は「ピアノ協奏曲第2番」と対をなす作品で、4楽章で構想された。この回は、この協奏曲がヨアヒムの指導を受けてどのように創作されたかをつぶさに辿るとともに、作品の魅力について解説したい。

2月7日:「ヴァイオリン・ソナタ第1番」とグロートの歌曲
 ブラームスはすでにヴァイオリン・ソナタを作曲していたが、破棄されている。現存するもっともはやい作品がこの「雨の歌」という名で知られるソナタである。この作品はシューマンの遺児フェーリックと結びついているとともに、創作の背景になったリート「雨の歌」との関連でも知られる。この回はとくにリートとの関連からこのソナタを解釈する。

3月27日:2つの「序曲」と「悲歌」
 ブラームスは「大学祝典序曲」と「悲劇的序曲」の2曲の演奏会用序曲を作曲している。この二つの作品はいわば一体の作品でもあり、彼の管弦楽創作の一つの展開を示している。この回ではそれぞれの序曲の創作の経緯や作品の創作手法をとり上げるとともに、友人で急逝した画家のフォイアーバッハを追悼して作曲された「悲歌」を取り上げる。


4月17日:「ピアノ協奏曲第2番」
 ヴァイオリン協奏曲と対をなして作曲されたのがこの「ピアノ協奏曲第2番」である。きわめて演奏至難な作品で知られるとともに、ブラームスの新しいオーケストレーションの試みの点でも注目される。また第3楽章は自作の歌曲の旋律が取り入れられており、その点でも新しい創作の試みである。この回ではこの協奏曲の組み立てや歌曲との関連などについてくわしく取り上げる。

受付一時中止

注意事項

最新更新:■新型コロナウイルスの影響拡大に伴い、4/17(1月期補講)は休講になりました。補講日は未定です。(1/1、は調整中の為、仮日程です) 4/2記
過去更新:新型コロナウイルスの感染拡大予防のため、3/6は休講。4/17が補講となります。

日程
2020/1/17, 1/24, 2/7, 3/27, 1/1
曜日・時間
第3週・第1週 金曜 15:30~17:00
回数
5回
受講料(税込)
会員 16,500円 一般 19,800円
その他
・日程をご確認ください。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

西原 稔(ニシハラ ミノル)
山形県生まれ。東京藝術大学大学院博士過程満期退学。現在、桐朋学園大学音楽学部教授。18、19世紀を主対象に音楽社会史や音楽思想史を専攻。「音楽家の社会史」、「聖なるイメージの音楽」(以上、音楽之友社)、「ピアノの誕生」(講談社)、「楽聖ベートーヴェンの誕生」(平凡社)などの著書のほかに、共著・共編で「ベートーヴェン事典」(東京書籍)、監訳・共訳で「オペラ事典」、「ベートーヴェン事典」(平凡社)などがある。現在、シューマンとブラームスに関する著作に取り組んでいる。