森の哲人オランウータン ボルネオからの報告

  • 久世 濃子(国立科学博物館・日本学術振興会特別研究員)
講師詳細

不思議に満ちたオランウータンの生態が進化してきた理由を、フィールドワークの経験を交えて解き明かします。
 東南アジアに住む唯一の大型類人猿オランウータンは、世界最大の樹上性動物(雄80kg、雌40kg)で、昼行性霊長類の中では唯一群れを作らず、単独で生活しています。孤独な生活とヒトに似た風貌から「森の哲人(哲学者)」とも呼ばれています。野生動物の中でも最も死亡率が低く、オトナ(15歳頃)になるまでの生存率は96%、20世紀になるまで人間ですらこの値を超えることはできませんでした。一頭の子を7~8年かけてひとりで育てあげる、オランウータンの雌は子育ての達人です。一方、オトナの雄には外見が大きく異なる2つのタイプがあり、「二型成熟」と呼ばれています。(講師・記)

この講座は終了しました
日程
2019/3/30
曜日・時間
土曜 10:30~12:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,240円 一般 3,888円

講師詳細

久世 濃子(クゼ ノウコ)
国立科学博物館人類研究部・日本学術振興会特別研究員。理学博士。ボルネオ島の熱帯雨林と日本の動物園で、大型類人猿の一種「オランウータン」の生態や行動を20年近く研究している。著書に『オランウータン-森の哲人は子育ての達人』(東京大学出版会)『オランウータンってどんな「ヒト」?』(朝日学生新聞社)、などがある。NGO「日本オランウータン・リサーチセンター」事務局長。二児の母。