死者の書 古代エジプトと折口信夫をめぐって

  • 藤原 茂樹(慶応義塾大学名誉教授)
  • 秋山 慎一(早稲田大学ヨーロッパ文明史研究所)
講師詳細

折口信夫の小説『死者の書』は、万葉集の時代を背景に、神に仕えるべき令質をもつ藤原南家の美しい娘が、処刑死した大津皇子の霊の訪れを、畏怖と憧憬の交錯のなかで、時代の想像を超えた救済法をほどこす聖なる幻想の物語である。
この大和の国の処女の物語が、紀元前古代エジプトの「死者の書」をベースに構想されたことに気づいても、探索の手が深い場所に到達することはまれであった。
隠された廻廊でその二篇の『死者の書』が、果たしてどのようにつなげられていたのか。時空を超えて、古代エジプトと古代国文学のそれぞれの専門家が異なる切り口からその背景や物語を読み解いていく。(講師・記)
※2名の講師が交代で講義いたします。

<各回テーマ>※予定
2019年10-12月期(秋山)
第1回  古代エジプト「死者の書」とは
第2回  古代エジプト「死者の書」の構成とその内容
第3回  古代エジプト「死者の書」にみる死生観
2020年1-3月期(藤原)
第4回  「ゑぢぷともどき」ー折口信夫『死者の書』におけるエジプトの死生観の影響
第5回  神隠しと魂よばい
第6回  訪れる死霊 処女へのよばいー藤原南家郎女のみる海の夢の意味
2020年4-6月期(秋山)
第7回  「オシリス神話」とは
第8回  折口『死者の書』の背景:世界聖典全集と折口
第9回  折口『死者の書』の背景:なぜエジプト「死者の書」なのか
2020年7-9月期(藤原)
第10回 畏怖と憧憬―化け物・幽霊と阿弥陀
第11回 最古日本女性の生活と神の嫁
第12回 死霊の居場所-二つの世界の死生観(藤原・秋山)

お申し込み
日程
2020/2/17, 3/2, 3/16
曜日・時間
月曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 11,880円
持ち物など
<テキスト>
プリントを配布します。
その他
※教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

藤原 茂樹(フジワラ シゲキ)
1951年東京都生まれ。1981年慶應義塾大学文学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾高等学校教諭、神戸山手女子短期大学教授、大谷女子大学教授 慶應義塾大学文学部教授を経て現在慶應義塾大学名誉教授。上代文学会理事、古事記学会編集委員。研究分野:古代国文学全般 古代芸能。編著:『池田彌三郎の学問とその後』(慶應義塾大学出版)、『古代国文学と芸能史』(瑞木書房)、『催馬楽研究』(笠間書院)。著書『藤原流万葉の歩き方』(NHK出版)共著『万葉びとの言葉と心』(NHK出版)。監修『NHK日めくり万葉集』(NHKTV)。雑誌監修『NHK日めくり万葉集』(2008~2012年講談社 月刊)。論文:「春は皮衣を著て」「三野王の基礎的考察」「山村幸行の歌」「万葉集と催馬楽」「天平二年皇后宮踏歌考」「檜隈の芸能」「渡来芸能の消長」「火中死生」「歌の国々」他多数。
秋山 慎一(アキヤマ シンイチ)
1956年群馬県出身。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て、早稲田大学商学部非常勤講師、文学部非常勤講師、中央大学文学部非常勤講師などを歴任。専攻 エジプト学。著書に『やさしいヒエログリフ講座』(原書房)、『古代エジプト文字を読む事典』(東京堂書店)などがある。