非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義
  • 教室・オンライン同時開催

  • 酒井泰斗氏/吉川 浩満氏
  • 酒井 泰斗(ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp))
  • 吉川 浩満(文筆家)
講師詳細

 朝日カルチャーセンターでは一線の哲学研究者たちによるバラエティに富んだ多数の哲学講義が開催されていますが、本講座は、それらとはまったく異なる性格を持っています。本講座は、哲学に関心のある非専門家たちが集まって、非専門家である講師二人とともに、哲学との「大人のつきあい方」について相談しあうための互助会であることを目指しているからです。
  2021年4月からは、過去の講座で要望の多かった文献講読講義を、自己啓発書の古典を使って開始しました。課題は二つ:手続きを踏んで形式的にテクストを読む訓練と、我々自身の通俗性について反省的に検討することです。
 自己啓発は、哲学のライバルプログラムとしてすでに私たちの思考に深く大きな影響を与えていますが、それだけでなく私たちが帯びざるを得ない通俗性を反映してもいます。これから1〜2年ほどの時間をかけて、自己啓発の一つの起源だと言われる「ニューソート」へと歴史をたどり・調べながら、私たち自身の通俗性について考えてみたいと思います。その作業は、自己啓発書の愛好者にも嫌悪者にも無関心な人にも、そしてなにより、哲学とのつきあい方に苦慮している私たち皆にとって 有意義なもの──「自分自身を知ること」に関わるもの──になるはずです。
 なお、本講座の受講にあたっては、哲学に関する特別な知識も過去の講座の受講経験もまったく必要ありません。(講師・記)

★23年2月現在トライン『無限者に調子を合わせて』を読んでいます。
Ralph Waldo Trine, 1897, In Tune With the Infinite.
現在入手可能な邦訳は以下の二つです:
・谷口雅春 訳、『新選谷口雅春選集9 幸福はあなたの心で』、日本教文社、1966年
・吉田利子 訳『人生の扉をひらく「万能の鍵」』、サンマーク出版、2005年
https://contractio.hateblo.jp/entry/20200804/p23
それ以外に、大正・昭和期に複数の邦訳が出ています。
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000421219-00
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000560345-00
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000001-I000000577882-00

★4月以降は大澤絢子『「修養」の日本近代──自分磨きの150年をたどる』(NHK出版、2022年)に入る予定です。※進度により変更する可能性がございます。予めご了承ください。
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000912742022.html

<取り上げる古典の候補>※この中より数冊取り上げる予定です。
ラルフ・ウォルドー・エマソン(1841)『自己信頼』
オリソン・スウェット・マーデン(1894)『前進あるのみ ─「究極の楽観主義」があなたを成功へと導く』
プレンティス・マルフォード(1889)『精神力:その「思い」があなたの人生をつくる』
ラルフ・ウォルドー・トライン(1897)『人生の扉をひらく「万能の鍵」』
ジェームズ・アレン(1902)『「原因」と「結果」の法則』
ウィリアム・アトキンソン(1906)『引き寄せの法則』
ウォレス・ワトルズ(1910)『富を引き寄せる科学的法則』
デール・カーネギー(1936)『人を動かす』
ナポレオン・ヒル(1937)『思考は現実化する』
ノーマン・ヴィンセント・ピール(1952)『積極的考え方の力』
マクスウェル・マルツ(1960)『自分を動かす:あなたを成功人間に変える』
ジョセフ・マーフィ(1963)『眠りながら成功する』

〈ご案内事項〉
・本講座は教室でも、オンラインセミナーアプリ「Zoom」ウェビナーを使ったオンラインでも、受講できるハイブリッド講座です(講師は教室)。パソコンやタブレット、スマートフォンでも配信を見ることができます。
・本講座はメール登録のある受講者全員に後日アーカイブ動画(1週間限定配信)のリンクをお送りいたします。期間内は受講者は何度でもご視聴いただけます。
・配布資料がある場合はメールでご案内いたします。郵送はしておりません。
・開講日の前日夜までにメールアドレス登録のある受講者の皆様に講座視聴URLとパスワード、および受講のご案内をメールでお知らせいたします。弊社からのメールが届かない事案が発生しておりますため、モバイルメールアドレス(docomo、au、SoftBank、Y!mobileなど)はなるべく使用しないようお願い申し上げます。メールが届かない場合は asaculonline001@asahiculture.com までお問合せください。
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この講座は終了しました

注意事項

・本講座はZoomウェビナーを使用し教室でもオンラインでも受講できるハイブリッド講座です(講師は教室)。開講日の前日夜までに受講者の皆様に講座視聴URLとパスワード、および受講のご案内をメールでお知らせいたします。メールが届かない場合は、 【asaculonline001@asahiculture.com】 までお問合せください。
・ソフトウェアを必ず最新版にアップデートの上ご覧ください。
・本講座は受講者全員に後日アーカイブ動画(1週間限定配信)のリンクをお送りいたします。

日程
2023/1/18, 2/15, 3/15
曜日・時間
第3 水曜 19:00~20:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 13,200円
設備費(税込)
495円
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

酒井 泰斗(サカイ タイト)
大阪大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程中退。音楽制作会社を経て現在は金融系企業のシステム部に所属。専門はインターフェース・デザイン。関心分野は道徳哲学・道徳科学や行動科学の歴史、社会科学方法論争史など。
著書: 酒井ほか編『概念分析の社会学2:実践の社会的論理』(ナカニシヤ出版、2016)、 前田ほか編『ワードマップエスノメソドロジー:人びとの実践から学ぶ』(新曜社、2007)。
論文:「〈法と科学〉の比較行政法政策論」(『科学・技術・社会』26、2017年、吉良貴之・定松淳・寺田麻佑・佐野亘との共著)など。
吉川 浩満(ヨシカワ ヒロミツ)
1972年3月、鳥取県米子市うまれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、ロック、映画、単車など。著述に『心脳問題──「脳の世紀」を生き抜く』(山本貴光との共著、朝日出版社)、『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)、翻訳に『マインド──心の哲学』(山本との共訳、ジョン・R・サール著、朝日出版社)など。