ベートーヴェンの生涯と作品 傑作の森

  • 平野 昭(音楽評論家)
講師詳細

 ベートーヴェンは耳鳴りと難聴の苦悩から音楽家としての前途に絶望し、1802年10月にウィーン郊外ハイリゲンシュタットでふたりの弟カールとヨハンに宛てて「遺書」を認めている。1800年には交響曲第1番、前年にはバレエ音楽《プロメテウスの創造物》で作曲家としての輝かしい一歩を踏み出したばかりであった。この1802年も耳病の苦悩の中で、これを否定するかのような生命力に漲った交響曲第2番を書き上げたが、3つのヴァイオリン・ソナタOp.30と3つのピアノ・ソナタOp.31には「遺書」の文脈に通じるドラマトゥルギーが表面化している。「遺書」が一種のカタルシスとなり、翌1803年からは「新しい道」と呼ばれる「英雄様式期」となる。ロマン・ローランの言った「傑作の森」の始まりである。 (講師・記/2019年4月開講。2年全8期予定。)

<スケジュール>
1 ピアノソナタ 悲愴・テンペスト・熱情
2 交響曲第4番、ラズモフスキー四重奏曲
3 交響曲第5番・6番
4 ピアノ協奏曲第4番
5 ピアノ協奏曲第5番、ピアノソナタ「告別」

<講座の全予定>※変更する可能性がございます。予めご了承ください。
■2020年メモリアルイヤーに向けてベートーヴェンの生涯と作品を2年かけて味わいます。2019年度は人間ベートーヴェン、2020年度は大作曲家(楽聖)ベートーヴェンをテーマに解説。

2019年度 人間ベートーヴェン
春 ハイリゲンシュタットの遺書
夏 傑作の森
秋 不滅の恋人
冬 ウィーン会議とナポレオン没落
2020年度 大作曲家(楽聖)ベートーヴェン
春 ハンマークラヴィーア、ピアノソナタ30番~32番
夏 ディアベリ協奏曲
秋 ミサソレニムスと第九交響曲
冬 弦楽四重奏曲

この講座は終了しました
日程
2019/7/15, 7/29, 8/5, 8/19, 9/2
曜日・時間
第1・3・5週 月曜 15:30~17:00
回数
5回
受講料(税込)
会員 16,200円 一般 19,440円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

平野 昭(ヒラノ アキラ)
1949年横浜生まれ。武蔵野音楽大学大学院修了。静岡文化芸術大学名誉教授、沖縄県立芸術大学客員教授、桐朋学園大学特任教授。前慶應義塾大学文学部教授。18~19世紀の西洋音楽史研究。特にドイツ語圏の作曲家作品研究が専門領域。とりわけベートーヴェンの全作品の分析的研究。『ベートーヴェン』(新潮社)、『人と作品:ベートーヴェン』(音楽之友社)、『音楽キーワード事典』(春秋社)、『ベートーヴェン事典』(東京書籍・共著)、『ベートーヴェン大事典』(平凡社・監修と共訳)等。音楽評論家として放送出演や「毎日新聞」等執筆。