数学塾 オイラーに学ぶ最大最小問題

  • 高瀬 正仁(元九州大学教授)
講師詳細

 数学史は「数学とは何であるか」と問う学問ですから、数学と数学史は切り離すことができません。数学の理論の真実の姿は源泉に宿っていて、源泉の所在地を教えてくれるのが数学史です。この「数学塾」では、毎回ひとつのテーマを取り上げて、その理論の泉となった「一番はじめの人」の「一番はじめの作品」に沈潜して思索の流れをたどり、数学の誕生の瞬間に立ち会うことをめざします。
 最大最小問題は微積分の黎明期から一貫して基本的なテーマであり続けました。17世紀のはじめにフェルマが独自の方法を考案して先鞭をつけましたが、ライプニッツに継承されて微分法が考案されて、多種多様な最大最小問題が解けるようになりました。17世紀の終りがけにヨハン・ベルヌーイが「最短降下線を求める問題」という問題を提出しました。曲線を探索するという、まったく新しいタイプの最大最小問題ですが、この問題がきっかけとなって、レオンハルト・オイラーが変分法を創始しました。オイラーの著作『極大または極小の性質を備えた曲線を見つける方法,あるいは,もっとも広い意味合いで諒解された等周問題の解法』(1744年)に詳述されています。そこで本講座では、オイラーの変分法の中心として最大最小問題を解説することをめざします。

第1回(10月)
最大最小問題は微積分の黎明とともに始まりますが、接線法と同じ方法を適用したところにフェルマの創意が現れています。そこでまずフェルマの方法を紹介します。ライプニッツは微分法を作り、フェルマがそうしたように、最大最小問題と接線法を同時に論じました。そこでフェルマの方法とライプニッツの微分法を紹介し、似ているところと似ていないところを比較します。

第2回(11月)
ライプニッツは逆接線法という名の積分法を作り、接線が与えられた曲線の全容を再現する手順を示しました。この方法はそれ自体としては最大最小問題とは関係がありませんが、微分方程式論の基礎理論となって変分法の形成をうながしました。逆接線法の具体例を列挙して、「曲線を見つける問題」への理解を深めます。

第3回(12月)
オイラーの著作『極大または極小の性質を備えた曲線を見つける方法,あるいは,もっとも広い意味合いで諒解された等周問題の解法』に沿って、変分法の概要を紹介します。多彩な最大最小問題が登場しますが、微分方程式を解くことが、解決のための数学的基礎になっています。オイラーの著作から多くの具体例を採取して紹介します。

※ご希望の回にお申し込みいただけますが、内容上、連続して受講される方が理解しやすいです。
※数学塾は10月・11月・12月の3回あります。ご希望の回にお申し込みいただけます。
必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

中途受講はできません

この講座は終了しました

注意事項

【休講】10月13日は台風のため休講となりました。補講日は10月27日です。

日程
2019/10/27, 11/10, 12/8
曜日・時間
日曜 12:30~16:45
回数
3回
受講料(税込)
会員 19,800円 一般 23,760円
その他
・2コマ連続の講義です。途中、休憩が入ります。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。
・ご希望の回にお申し込みいただけます。必要に応じて前回の復習をしつつ進めますが、連続して受講される方が理解しやすいです。

講師詳細

高瀬 正仁(タカセ マサヒト)
1951年、渡良瀬川上流の山村、群馬県勢多郡東村(現在のみどり市東町)に生まれる。数学者、数学史家。専攻は多変数関数論と近代数学史。東京大学を経て九州大学大学院修士課程修了。元九州大学教授。歌誌「風日」同人。著作『評伝岡潔』三部作(「星の章」「花の章」は海鳴社。「虹の章」はみみずく舎)、『高木貞治とその時代』(東京大学出版会)など。訳書『ガウス整数論』(朝倉書店)、『オイラーの無限解析』『オイラーの解析幾何』(海鳴社)、『ガウスの数学日記』(日本評論社)など。