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稲と米の日本史
日本文化の根幹
- 教室開催
- 新谷 尚紀(国立歴史民俗博物館名誉教授)
「政治の米」「経済の米」「文化の米」という三つをキーワードとして、民俗学と歴史学と考古学の研究成果と農学や植物学などの成果もあわせて、学際的な見地から日本の歴史と文化の特徴について考えてみます。
日本という国と社会の成り立ちを考える上で大切なのは、稲と米の栽培と消費をめぐるシステムの歴史です。柳田國男の「海上の道」や網野善彦の「稲作一元論批判」などもよく知られていますが、それ以外にもちろん膨大な研究成果が積み重ねられています。それらを紹介しながら、稲と米の日本史を考えてみます。古代の稲の伝来と水田稲作の定着、律令制下の田租と出挙、中世の荘園制下の年貢、近世の石高制と年貢、それらが軍事力と政治権力を支え、経済と生活を支えてきました。年中行事も神社の祭りも稲の栽培と収穫が基本になっています。しかし、長い歴史の中で米は主食と言われながらも決して日常の食料ではありませんでした。
そこで、米とは何か、今回は④初穂と新嘗祭と田租と出挙の関係、⑤官人の給付と食料としての米、⑥米と酒、というテーマで日本歴史の中の稲と米について学際的に具体的に読み解いてみましょう。(講師・記)
- 日程
- 2022/10/28, 11/25, 12/23
- 曜日・時間
- 第4週 金曜 13:00~14:30
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,900円
- 設備費(税込)
- 495円
- その他
- ・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。
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講師詳細
- 新谷 尚紀(シンタニ タカノリ)
- 1948年広島生まれ。早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士課程修了。博士(社会学)。専門は日本民俗学。国立歴史民俗博物館教授・國學院大学教授を経て、現在、国立歴史民俗博物館名誉教授・国立総合研究大学院大学名誉教授。著書に『神々の原像-祭祀の小宇宙-』『お葬式-死と慰霊の日本史-』『柳田民俗学の継承と発展-その視点と方法-』吉川弘文館 、『伊勢神宮と出雲大社-「日本」と「天皇」の誕生-』『伊勢神宮と三種の神器-古代日本の祭祀と天皇』『氏神さまと鎮守さま』(講談社選書メチエ)、『神社の起源と歴史』吉川弘文館ほか多数。