魔術（magic）の語源は、ギリシア語のマギケー、すなわち「マゴスの術」です。マゴスとは古代ゾロアスター教の神官階級であり、占星術も含むあらゆる学問に通じていました。そして、この術はヨーロッパ文化史・思想史の中で、神々を呼び寄せる降霊術、悪魔的力と結ぶつく妖術、創造の業を明らかにする自然魔術など、さまざまに論じられました。
　本講座では、古代のペルシア・エジプト・ギリシアから近代ヨーロッパまで、広く魔術の歴史について取り上げます。とくにキリスト教との関係について留意しつつ、図像資料も用いながら丁寧にお話いたします。　（講師記）

<全体のスケジュール＞
４月期　魔術　１　古代の魔術（ペルシア・エジプト・ギリシア）
　　　　　　　２　中世・ルネサンス（キリスト教と異教的文化の再生）
　　　　　　　３　近代以降の魔術（近代科学の勃興と魔女裁判）
７月期　カバラー　１　古代のユダヤ教神秘主義
　　　　　　　　　２　初期カバラーと『ゾーハル』の教え
　　　　　　　　　３　ルーリアのカバラーとシャブタイ派
10月期　錬金術　１　ヘレニズム時代と中世のアラビア世界
　　　　　　　　２　アラビア世界から中世のヨーロッパへ
　　　　　　　　３　初期近代における「賢者の石」の探求と化学・医学
１月期　占星術　１　起源：バビロニアからギリシア、エジプトへ
　　　　　　　　２　ローマ時代から中世後期まで
　　　　　　　　３　ルネサンスにおける復興と展開

〈ご案内事項〉
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