包摂と排除から見るアメリカ史24講 南北戦争と白人中心国家

  • 金井 光太朗(東京外国語大学名誉教授)
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 前回では解放された「強欲」を市場競争と領土拡大に集中することで「アメリカらしく」発展を遂げる様子を見ていきました。インディアンの民族浄化により西部開拓が急速に進むと、奴隷制は国家的課題となり南北戦争に至ります。リンカンは南北戦争をあくまで内乱とし、敵と戦うのではなく市民の乱を治めました。奴隷解放宣言の翌年、源泉地ゲティスバーグの演説では「自由と平等」を建国理念に入れ込みアメリカ一体の信念を再確認しました。ただ、これは白人だけの融和であり黒人を排除することで一体性が構築されたのです。大量の移民も白人に加わることでアメリカン・ドリームを追求しましたが、黒人の成功には厳しい壁ができました。(講師・記)

〈スケジュール〉
Ⅱ.南北戦争と白人中心国家
第1回 南北戦争は内乱だった!ゲディスバーグ演説の巧み※初回のみの参加も可能
第2回 インディアン民族浄化と「フロンティア」という嘘
第3回 奴隷をめぐる南北の対立と分断
第4回 KKKの怨念と差別・隔離の体制構築
第5回 移民労働者の白人連帯とアメリカン・ドリーム
第6回 「法の下の平等」を生きる黒人の困難

〈今後のスケジュール〉
Ⅲ.自己実現の支え
第1回 無償の土地とゴールド・ラッシュとカウボーイ:個人のチャンスも大企業へ交替
第2回 デパート・通販・チェーンストア:消費生活の夢
第3回 レセ・フェールの軛脱却: セオドア・ローズヴェルトの福祉政策実現の技
第4回 フォードの日給5ドル制:大量生産による生活変容
第5回 女性参政権獲得をこえて:憲法平等条項修正を求めて
第6回 「ブラック・ナポレオン」とハーレム・ルネサンス:マーカス・ガーヴェイの主体性

Ⅳ.システムの問い直し
第1回 ブルーとレッドの転換
第2回 キングとマルコム:アフリカンでアメリカンの尊厳回復
第3回 『フェミニン・ミスティーク』:ジェンダー問題の意識化
第4回 文化戦争:(西洋由来の)普遍的価値と多文化主義
第5回 コスパの経営と新自由主義:『ウォール街』の問いかけ
第6回 ブラック・ライブズ・マター:システミック・レイシズムからの解放

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日程
2021/1/7, 1/21, 2/4, 2/18, 3/4, 3/18
曜日・時間
木曜 10:30~12:00
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,800円 
持ち物など
・当日、プリントを配布します。
その他
・教室変更:1/7は1号室→2号室に変更します。
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

金井 光太朗(カナイ コウタロウ)
1953年生まれ。東京外国語大学名誉教授。専攻はアメリカ政治史。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退、米国ブラウン大学留学。著作『アメリカにおける公共性・革命・国家』(木鐸社)、『アメリカのアイデンティティとナショナリズム』(共著、彩流社)『近代アメリカの公共圏と市民』(共著、東京大学出版会)など。訳書ゴードン・ウッド『ベンジャミン・フランクリン、アメリカ人になる』(共訳、慶應義塾大学出版会)、コリン・ウッダード『11の国のアメリカ史』(共訳、岩波書店)。