神道史から見た国家神道

  • 島薗 進(上智大学特任教授)
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 近代日本の精神史は国家神道によって大きく方向づけられた。江戸時代の後期に「尊皇」の思想が広められ、それにそって国家行事や神道祭祀が整えられていく。神聖天皇への崇敬が神道と密接に結び付けられて、これまでにはなかった神道のあり方が広まっていった。では、このような神道のあり方は古代以来の神道の歴史のなかでどのように位置付けられるだろうか。近代の国家神道のもとになる国家祭祀は、すでに7世紀末から8世紀初めにかけて形成されている。しかし、神道には他の側面もあり、八幡神、稲荷神、山岳信仰など神仏習合による霊威神への信仰が占めていた地位はたいへん大きい。中世、近世と有力だったその流れから近代の教派神道も生まれている。このような神道史の全体像のなかで国家神道を見直していきたい。(講師記)

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日程
2020/8/8
曜日・時間
土曜 18:30~20:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 4,400円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

島薗 進(シマゾノ ススム)
1948年、東京生まれ。東京大学文学部卒業。現在、上智大学特任教授、同大グリーフケア研究所所長、東京大学名誉教授。主な研究領域は比較宗教運動論、近代日本宗教史。人助けの学問という気持ちで医学を志したが、その理想に疑問をもち、人が幸せに生きようとする意志を吟味する学問の方へ向かった。著書:『現代救済宗教論』(青弓社)、『現代救済宗教論』(青弓社)、『精神世界のゆくえ』(東京堂出版、秋山書店)、『現代宗教の可能性―オウム真理教と暴力』(岩波書店)、『時代のなかの新宗教』(弘文堂)、『ポストモダンの新宗教』(東京堂出版)、『〈癒す知〉の系譜』(吉川弘文館)、『いのちの始まりの生命倫理』(春秋社)、『スピリチュアリティの興隆』(岩波書店)『国家神道と日本人』(岩波書店)、『日本人の死生観を読む-明治武士道から「おくりびと」へ』(朝日新聞出版)。中島岳志氏との共著に「愛国と信仰の構造」(集英社新書)。