ヒッタイト帝国と鉄の歴史 アナトリア考古学最前線

  • 大村 幸弘(アナトリア考古学研究所長)
講師詳細

 前2千年紀後半、「鉄と軽戦車」を駆使しながら東地中海世界の覇権をエジプトと争っていたヒッタイト帝国には、余りにも謎が多い。鉄は帝国内で本当に生産されていたのか。軽戦車に関する遺物が一点も出土していないのにそれを多用したことになっている。その根拠は何か。帝国が前12世紀の初頭に一瞬にして終焉を迎えたと云われる。その背景は一体何か、また、ヒッタイト民族がアナトリアに侵攻したのは前3千年紀の後半と云われる。それを裏付けるものは果たしてあるのか。(講師・記)

 2017年9月、トルコのカマン・カレホユック遺跡で、紀元前2300年から2200年の地層から最古の人工の鉄の塊が発掘されました。紀元前1300年~1200年にヒッタイト帝国が鉄の製造を始めて技術を独占し、周囲を征服したとされている定説に一石を投じる発見です。年代や成分から、これまで考えられていたよりも前にヒッタイトとは違う民族が鉄の製造を伝えた可能性もあるとみて注目されています。最新調査を通してヒッタイト帝国と鉄の謎に挑みます。

この講座は終了しました
日程
2020/3/2, 3/16, 3/30
曜日・時間
月曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 11,880円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

大村 幸弘(オオムラ サチヒロ)
岩手県盛岡市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。トルコ共和国アンカラ大学言語・歴史・地理学部中近東考古学科博士課程修了。72年以来、エジプト、トルコの発掘調査に従事。85年からトルコ共和国、カマン・カレホユック遺跡発掘調査を指揮。2009年からは、ヤッスホユック遺跡、ビュクリュカレ遺跡発掘調査も開始、現在、三遺跡の総指揮を取り、ヒッタイト帝国に最も影響を与えたと言われるアッシリア商人のアナトリアにおける経済活動、「鉄と軽戦車」を駆使してエジプトと対峙したヒッタイト帝国の興亡の背景を探る。現在、アナトリア考古学研究所長。近著に「アナトリアの風―考古学と国際貢献」(リトン、2018年)