IF(もしも)の日本史

  • 本郷和人講師
  • 本郷 和人(東京大学教授)
講師詳細

 私は若い頃から、「歴史にIFはない」と教えられ、「もしあのとき、こうだったら」と考えることは意味が無いと理解してきた。だが本当にそうか? たとえば太平洋戦争。もう勝つみこみはない、と分析されていた昭和19年の段階でもし降伏していたら、沖縄の悲劇はなかったし、原爆の投下もなかった。
 歴史にIFはない、と強調するのは,歴史が科学であると言いたいがためである。太平洋戦争は、経済力に圧倒的な差があった以上、いくつかの戦場で勝利が逆転したにせよ、日本は結局はアメリカに敗れたであろう。そこに疑いは無い。だが、少しでも早く敗戦の屈辱を受け入れていれば、死なないですんだ人は確実に存在した。権力の重み、怖さと知ることのできる話である。
 今般のコロナ騒動では「人命にまさるものなし」と有識者の多くが説いていた。人命が重く受け止められる現在において、権力に注目しただけでも、「歴史のIF」を考えることには一定の意味があるだろう。そこでこの講座では、私の専門である日本中世において、もしあのときこうだったら、を考えてみようと思っている。

第1回 鎌倉時代
○もしも石橋山で、梶原景時が「源頼朝を見つけたぞー」と大声を出していたら
○源頼家が重病に。もう少し比企能員が慎重であったら
○モンゴルから国書が。鎌倉武士たちにもう少し教養があったら。

第2回 南北朝時代
○もし、後二条天皇が若くして亡くならなかったら。
○もし足利尊氏が大好きな後醍醐天皇に反逆しなかったら

第3回 室町時代
○もし足利義満がもう数年生きていたら
○畠山持国がもう少し男としての自信にあふれていたら

第4回 戦国時代
○もし浅井長政が信長を裏切らなければ
○もし本能寺の変のとき、織田信忠が一目散に逃げていたら
○淀殿の産んだ子が女の子だったら

第5回 関ヶ原の戦い
○もし秀吉と家康の寿命が入れ替わっていたら
○伏見城をめぐるもしも
○もし上杉景勝が東軍の背後を襲ったら

第6回
歴史の「もしも」を考えるとは何か?

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お申し込み
日程
2020/10/9, 10/23, 11/6, 11/27, 12/11, 12/25
曜日・時間
金曜 10:30~12:30
回数
6回
受講料(税込)
会員 19,800円 
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

本郷 和人(ホンゴウ カズト)
1960年東京の下町に生まれ、下町に育つ。83年東京大学文学部卒業。86年、東京大学大学院人文科学科修士課程修了。88年東京大学大学院人文科学科博士課程単位取得。子どもの頃から歴史物語が大好き。いつの間にかそれが仕事になっていた。同業者で美人の妻(本郷恵子さん)との間に一男(タクトくん。ただし指揮者になる予定はない)一猫(黒猫アルトくん。ただし唱わない)あり。著書に『人物を読む日本中世史』(講談社)ほか多数。