中国五千年の文明と歴史 中国とは何か

  • 加藤 徹(明治大学教授)
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 中国とは何か。一言で「こうだ」と答えるのは、なかなか難しいです。ヨーロッパも国ごとに多様ですが、中国は人口も歴史もヨーロッパの数倍もあるのです。ただ、そんな中国でも、過去数千年来、変わらなかった特徴や、中国文明が現在まで引きずっている「宿命」や「業(ごう)」のような初期条件はあります。
 この講座では、「中国とは何か」を大づかみで理解します。日本や西洋と比較しつつ、中国文明数千年の特徴を、写真や動画なども使いながら、わかりやすく解説します。中国史についての予備知識がないかたも大丈夫です。日本史や西洋史に興味のあるかたも、中国史と比較することで、きっといろいろな発見があると思います。お気軽にご受講くださいますよう。(講師・記)

《カリキュラム》
第1回 中国はなぜ世界一の人口を誇るのか?――結婚制度
第2回 李白が飲んでいた酒はなにか?――酒から見る中国
第3回 高身長だった諸葛孔明――中国人の身長の変遷
第4回 物流の要:道路と運河――中国高速鉄道の原型
第5回 弓矢という武器――中国の弓矢の名手と日本との違い

《カリキュラム詳細》
第1回 中国はなぜ世界一の人口を誇るのか?――結婚制度
 結婚の形は古来、国や時代ごとにさまざまです。近代以前の中国は一夫多妻制の一種である妻妾制をとっていましたが、他国の一夫多妻制とくらべても中国独特の特徴がありました。また、中国独特の「同姓不婚」や「冥婚」、「指腹婚」もありました。「いとこ婚」が許容されるか否かも、中国では時代や地域ごとに違いました。現代中国の結婚式も、そのコンセプトや様相は、日本の結婚式と大違いです。中国人が今も世界一の人口を誇る理由の一因である結婚の歴史的変遷について、わかりやすく解説します。

第2回 李白が飲んでいた酒はなにか?――酒から見る中国
 古来、中国人は酒が好きでした。儒教でも酒は礼の重要な一部であり、古代中国の酒礼は今の日本のマナーにも大きな影響を与えています。
 日本人が中国の酒というと、アルコール度数が高い白酒や、醤油のような色がついた黄酒を連想します。歴史をさかのぼると、いろいろな酒がありました。
 三国志に登場する張飛や、酒についての漢詩をたくさん詠んだ李白は、どんな酒を飲んでいたのか。酒から見た中国人の歴史を語ります。

第3回 高身長だった諸葛孔明――中国人の身長の変遷
 アジア人の身長は白人や黒人よりも低い、という印象があります。しかし中国の過去の歴史をさかのぼると、身長はダイナミックに変化してきました。例えば今から五千年前の中国の龍山文化の遺跡から発掘された人骨を2017年に調査したところ、発見された集団の多くが身長約180センチ以上で、最も背が高かった男性は約190センチ、と現代の欧米人の身長とくらべても遜色はありませんでした。実際、孔子も諸葛孔明も、驚くほど高身長でした。 日本人と中国人の身長の歴史的変化にも言及します。

第4回 物流の要:道路と運河――中国高速鉄道の原型
 中国大陸の物流は、道路と運河に支えられてきました。どこまでも草原が続くモンゴルや、海に囲まれた日本とは、まったく物流の条件が違いました。中国五千年の文明を支えてきたのは、人工血管ともいうべき道路と運河です。21世紀の中国の高速鉄道も、道路と運河の延長上にあります。

第5回 弓矢という武器――中国の弓矢の名手と日本との違い
 世界各地の武器のなかで、弓ほどそれぞれの地域の特徴をよく反映している道具は、他にありません。高温多湿で木材資源にめぐまれた日本の長弓と、牛角馬腱の中国の短弓を比較すると、設計思想や性能、運用など、あまりの違いの大きさに驚きます。
 『論語』で射礼に言及した孔子や中島敦の短編小説『名人伝』にも出てくる紀昌など中国の弓の名手を、日本の弓の名手である那須与一や日置弾正正次などと比較しつつ、弓から見た中国文明を解説します。

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み

注意事項

・6/11(木)10時半~12時に最終回補講を行います。(5/15更新)

日程
2020/1/9, 1/23, 2/27, 3/26, 6/11
曜日・時間
第2週・第4週 木曜 10:30~12:00
回数
5回
受講料(税込)
会員 16,500円 
その他
・教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

加藤 徹(カトウ トオル)
1963年生まれ。東京大学文学部、同大学大学院で中国文学を専攻。広島大学総合科学部助教授を経て、現在、明治大学法学部教授。著書:『京劇』(中公叢 書・サントリー学芸賞)、『漢文力』(中公文庫)、『西太后』(中公新書)、『漢文の素養』(光文社新書)、『貝と羊の中国人』(新潮新書)、『怪力乱神』(中央公論新社)、『梅蘭芳 世界を虜にした男』(ビジネス社)、『中国人の腹のうち』(廣済堂出版)、『東洋脳×西洋脳』(共著・中央公論新社)などがある。