近代文学12講 「蟹工船」小林多喜二

  • 小森 陽一(東京大学名誉教授)
講師詳細

 「近代文学12講」は、2017年春から3ヶ月に1回・3年間で、近代文学の主要な作品12作を解説しています。各回、表題作を中心に、文学史上の意味や同時代の作家と作品、そこから浮かび上がってくる社会状況などを明らかにします。

 日本のプロレタリア文学を代表する小林多喜二の、「戦旗」1929年5月号と6月号に発表された中編小説が『蟹工船』です。革命後のロシア、すなわちソヴィエト社会主義共和国連邦との領海問題の焦点になっている北洋の、蟹工船漁業現場で発生した事件をもとに書かれた、資本主義と植民地主義のかかわりを鮮やかにあばいた設定になっています。組織されていない労働者が、どのようにして自らの意志で闘いに立ち上がるのかが文学的に表現されています。2008年に発生した「蟹工船ブーム」にもふれながら、この小説の普遍性についても考察していきます。 (講師記)

<参考書>「蟹工船・党生活者」小林多喜二
お手持ちのもので結構ですが、授業は新潮文庫『蟹工船』をもとに進めます。

【全12回の予定】
2017年度
春期:『雁』 森鴎外 
夏期:『五重塔』 幸田露伴 
秋期:『たけくらべ』 樋口一葉 
冬期:『新世帯』 徳田秋声

2018年度
春期:『草迷宮』 泉鏡花
夏期:『倫敦塔』 夏目漱石
秋期:『一兵卒』 田山花袋
冬期:『生れ出づる悩み』 有島武郎

2019年度
春期:『藪の中』 芥川龍之介
夏期:『すみだ川』 永井荷風
秋期:『刺青』 谷崎潤一郎
冬期:『蟹工船』 小林多喜二

この講座は終了しました
日程
2020/2/14
曜日・時間
金曜 15:30~17:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 3,960円
持ち物など
【参考書】『蟹工船』
お手持ちのもので結構です。授業は、新潮文庫『蟹工船・党生活者』をもとに進めます。
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

小森 陽一(コモリ ヨウイチ)
1953年生まれ。北海道大学大学院文学研究科修了。成城大学文学部助教授、東京大学助教授・教授を経て現職。著書に『構造としての語り』(新曜社)、『読むための理論 文学・思想・批評』(世織書房)『知の技法』(共著・東京大学出版会)、『ことばの力・平和の力 近代日本文学と日本国憲法』(かもがわ出版)、『難民(思考のフロンティア)』(共著・岩波書店)。『戦後日本は戦争をしてきた』(共著・角川書店)、『理不尽社会に言葉の力を』『戦争への想像力』『生きさせる思想-記憶の解析・生存の肯定』(新日本出版社)、『天皇の玉音放送』(朝日新聞出版)、『漱石論 21世紀を生き延びるために』(岩波書店) 、『東アジア歴史認識論争のメタヒストリー』(共著・青弓社)、『壊れゆく世界と時代の課題』(共著・岩波書店)などがある。