ワーズワースの自然 詩人と心のプリズム
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  • 井上 美沙子(大妻女子大学名誉教授)
講師詳細

 代表詩「虹」(1802)のなかで「子供は大人の父」と逆説的な表現をしたワーズワース。彼は、大自然に対する畏怖の念を本能的に感知する幼児を手本とした詩人でした。
 紫外線や赤外線などの科学的発見と同時代に生きたワーズワースは、科学者の職分を「孤独のうちに自然界の普遍の真理を探究すること」、また詩人の職分を「科学者が見つけた真理を詩作に昇華し、それを人々に広め楽しみを謳歌する」ことと表現するなど、自然と科学の融合を大切にしていました。
 例えば彼は、ニュートンがプリズムを使って発見した七色分光に関心を寄せており、目には見えなくとも自然のうちに歴然と潜む真理への衝撃が、「虹」の発表へと繋がっていったのです。
生まれ育った英国・湖水地方の自然を尊び、心のプリズムを通して人間と自然との崇高な生命のほとばしりを作品化したワーズワース。その奥深さを共に味読しましょう。(講師・記)

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日程
2022/3/8
曜日・時間
火曜 13:30~15:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 4,400円
設備費(税込)
165円

講師詳細

井上 美沙子(イノウエ ミサコ)
大妻女子大学名誉教授。日本女子大学文学部英文科卒。西脇順三郎に師事し日本女子大学大学院修士課程修了。日本女子大学助手、お茶の水女子大学、早稲田大学等の非常勤講師を経て、大妻女子大学短期大学部教授及び学部長に就任。2011年より大妻中学高等学校校長に就任。2017年より大妻女子大学副学長に就任。19世紀英文学専攻。主な著書に『ヴィジョンと現実』(中央大学出版部1997年)、『1990年代のイギリス小説』(金星堂1999年)、『ロマン主義の射程』(八潮出版2001年)、『埋もれた風景たちの発見』(中央大学出版部2010年)、主な訳者に『ラフカディオ・ハーン著作集』(恒文社1987年)、『聖書の視座から人間の経験をよむ』(すぐ書房1998年)、『ギフト-エロスの交易』(法政大学出版2002年)、『近代を編む』(中央大学出版部2021年)などがある。