フォッサマグナの謎に挑む

  • 糸静線新倉にて
  • 藤岡換太郎
  • 藤岡 換太郎(神奈川大学講師)
講師詳細

日本列島を東西に分断する巨大な地溝、フォッサマグナは、明治の初めドイツの若いお雇い教師であったナウマンによって発見されました。しかし、その正体は専門家の間でも140年たった今でも明らかにはされていません。フォッサマグナは日本列島が現在のような姿になる過程で生まれたもので、日本列島の成り立ちを考える上では欠かせない重要な構造です。
フォッサマグナを地質的に見るとその成因がまったく違うと考えられるため、「北部フォッサマグナ」と「南部フォッサマグナ」とに区別されてきました。本講座では北部と南部それぞれの成り立ちをたどり、フォッサマグナは一体どのようしてできたのかという謎に独自のモデルを用いて挑みます。 (講師・記)

① 北部フォッサマグナと日本海の拡大
北部フォッサマグナができてから埋積されていくプロセスを日本海の拡大、停止、東北日本の隆起、陸化を参照にしながら検討する。日本海の拡大に関するモデルを紹介し、そのうちスーパープルームとオラーコジンが重要であることを述べる。このプロセスに関して糸魚川ジオパーク、男鹿ジオパーク、佐渡ジオパークを例に話す。

② 南部フォッサマグナとフィリピン海プレートの北上
南部フォッサマグナが巨摩、御坂、丹沢、伊豆のブロックの本州への衝突・付加によってできてきたことを丹沢山地の地質を例に話す。フィリピン海プレートのでき方と伊豆・小笠原弧の火山島の成長と衝突に関するプロセスを話す。丹沢山地や伊豆半島が南の海からきたことを伊豆ジオパークを例に話す。

③ フォッサマグナはどうしてできたのかー試論
フォッサマグナが北部の日本海拡大、日本列島の南下、フィリピン海の南からの北上がほぼ同時に(17~15Ma)開始して形成されてきたモデルを話す。このようなことが日本のほかの地域や世界のどこかでも起こっているのかについても考察する。どうやら日本列島が唯一の例のようである。

残席わずか
日程
2019/10/15, 11/19, 12/17
曜日・時間
第3週 火曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 一般 11,880円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

藤岡 換太郎(フジオカ カンタロウ)
1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士(東京大学)。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員などを歴任。現在は神奈川大学や放送大学で非常勤講師。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船。三大洋人類初潜航を達成。海底地形名委員会での功績から2012年海上保安庁長官表彰を受ける。著書に『深海底の科学』(NHKブックス)『海はどうしてできたのか』『山はどうしてできるのか』『川はどうしてできるのか』『フォッサマグナ』『三つの石で地球がわかる』(いずれも講談社ブルーバックス)『海がわかる57の話』(誠文堂新光社)『相模湾 深海の八景―知られざる世界を探る』『日本海の拡大と伊豆弧の衝突(共著)』(いずれも有隣堂)『深海底の地球科学』(朝倉書店)など多数。