プルーストと旅行 「失われた時を求めて」における鉄道と自動車

  • 坂本 浩也(立教大学教授)
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 本当の旅とは、新たな風景を求めることではなく、他者の目で世界を見ることである、とプルーストは書いています。別の土地を訪れても、視点が変わらなければ発見はない。いいかえると、移動しなくても別の視点が手に入れば、世界は新たな姿を見せる。そして芸術こそ、他者の世界の見方を共有する(唯一の)手段だというのが、プルーストの考えです。つまり、芸術は旅行にまさる。じっさい『失われた時を求めて』には、旅をめぐる幻滅が克明に描かれています。とはいえ、旅行のエピソードに発見や視点の変化がないわけではありません。プルーストは、新たな旅行手段にも意識的な作家でした。鉄道旅行と自動車旅行はどう違うのか? 空間認識の変容は、小説家にとってどのような意味を持つのか? 同時代の作家たちと比較しながら考えてみましょう。  (講師・記)

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日程
2021/3/20
曜日・時間
土曜 13:00~14:30
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,300円 一般 4,400円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

坂本 浩也(サカモト ヒロヤ)
パリ第4大学(ソルボンヌ)にて文学博士号を取得。立教大学教授。著書に、『プルーストの黙示録——『失われた時を求めて』と第一次世界大戦』(慶應義塾大学出版会、2015年)、訳書に、ピエール・ブルデュー『男性支配』(坂本さやかとの共訳、藤原書店、2017年)など。立教大学にて公開セミナー「新訳でプルーストを読破する」全14回を企画開催(2017年10月〜2020年1月、twitter@proust_rikkyo)。「web岩波 たねをまく」にて、イベントレポート「それぞれの『失われた時を求めて』」を連載中。