宇宙の始まりと反物質

  • 郡和範さん
  • 郡 和範(高エネルギー加速器研究機構准教授)
講師詳細

 皆さんは、この世に反物質が存在するって信じられますか?すでに多くの著名なSFでも描かれてきたように、我々の世界を作っているような物質と、その反物質が出会うと、大量のエネルギーを放出して両者は消えて無くなってしまいます。物理学では、物質と同様に反物質つまり反粒子の存在を認めています。
 しかし、私たちが住んでいる地球上ではおろか、我々の銀河系の近くには、ほとんど反物質が存在していないことが分かっています。それでは、その反物質はどこへいってしまったのでしょうか。
 今回の講座では、最新の観測、実験、理論から、消えてしまった反物質の謎に迫ります。初回は、私が講座全体のイントロダクションとして、宇宙における反物質の役割を紹介します。具体的には、宇宙が始まった頃に、物質と同様に存在していた反物質が、宇宙の歴史を通じてある時点から消えてしまい、現在の宇宙の姿になったという物理学の理論の解説をします。実は、わずかではありますが、現在でも実験と観測で反物質を検出し、研究することができるのです。私たちの起源にも関係する反物質の謎への挑戦をお伝えできれば幸いです。(講師記)



この講座は終了しました
日程
2019/10/5
曜日・時間
土曜 10:00~12:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,410円 一般 4,070円
その他
教室は変わる場合があります。10階と11階の変更もあります。当日の案内表示をご確認ください。

講師詳細

郡 和範(コオリ カズノリ)
1970年兵庫県生まれ。現在、高エネルギー加速器研究機構理論センター准教授。2000年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。2004年、米ハーバード大学博士研究員。2006年、英ランカスター大学 研究助手、2009年、東北大学大学院助教などを経て、現職。また、総合研究大学院大学と東京大学カブリIPMUの教員も兼任。研究内容は、宇宙論・宇宙物理学の理論研究(キーワード:ビッグバン元素合成、バリオン数生成、インフレーション宇宙論、ダークマター、ダークエネルギー、ニュートリノ宇宙物理学、原始ブラックホール、重力波など)。著書に『宇宙物理学(KEK物理学シリーズ3)』(共立出版)、『宇宙はどのような時空でできているのか』(ベレ出版)などがある。