新約聖書とは何か  正典化の歴史を探求する

  • 三上講師
  • 三上 章(元東洋英和女学院大学教授)
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 この講座では,「新約聖書とはなにか」という,平易なように見えて実はそうではない問題に挑戦します。解明への切り口として,もともと別々であった27の文書が,一冊の書物とされ,「聖書」「正典」となった正典化の歴史を探究します。
 27の文書は,1世紀半ばから2世紀前半には出そろっていましたが,いまだ一つの書物ではありませんでした。その後,2世紀後半から4,5世紀までの間に,徐々に集められ,一冊の書物とされました。それが,正統派キリスト教会の正典,すなわち「新約聖書」です。つまり「新約聖書」という現象は,27の各文書が生まれた後の時代に属する,キリスト教史の現象です。300年もしくはそれ以上にもわたる,歴史上の過程です。
 他にも存在していた数多くの文書の中から,27の文書だけが,どのようにして,どのような意図のもとに,特定の文書リストに採用され,「聖書」「正典」となり,「新しい契約(新約)」という名前をつけられるにいたったのでしょうか。その事情がわかるならば,新約聖書の中身はもっと理解しやすくなることでしょう。

 使用テキストは,田川 建三 著『書物としての新約聖書』(1997年,勁草書房)です。その内容は,カノーン(正典)と「新約」,旧約聖書という矛盾,「異端」から正典がはじまった!,マルキオン以前の正典的権威?,正典化を促進した諸異端,正統派教会による新約正典の結集,興味深いものです。

 テキストは,各自で入手していただきたいですが,古書を適正な価格(定価の半額ほど)でお分けすることもできます。

※継続受講の方は当月に入ってからのWEB申し込みはできません。窓口でお支払いください。
    

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み
日程
2020/4/8, 6/10, 6/24, 7/8, 7/22, 8/12, 8/26, 9/9, 9/23, 9/30, 10/14, 10/28
曜日・時間
第2・4週 水曜 10:30~12:00
回数
12回
受講料(税込)
会員 25,080円 
持ち物など
※テキスト 田川 建三 『書物としての新約聖書』(1997年,勁草書房)ですが、現在出版社や書店では在庫切れの模様です。ご相談ください。

講師詳細

三上 章(ミカミ アキラ)
オーストラリア神学学位授与機構(ACT)大学院神学修士研究コース修了。東京大学大学院博士課程(西洋古典学専攻)単位取得満期退学。筑波大学博士(文学)。北星学園大学チャプレン、東洋英和女学院大学国際社会学部教授を経て、2017年3月定年退職。専門は西洋古典学、ギリシア哲学、仏教哲学。諸宗教の哲学的考察による地球規模の倫理の探求を、積年の研究課題としている。主な著作に『プラトン『国家』におけるムゥシケー』(リトン、2016年10月)、『ケンブリッジ・プラトニストの哲学的霊性』(リトン、2017年3月)がある。