正史が語らぬふしぎの日本古代史 『日本霊異記』入門
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  • 渡部 亮一(立命館大学非常勤講師)
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日本国の正史と扱われた『日本書紀』や『続日本紀』。現代の我々が習う日本史も、ほぼこれらが元となっていますが、勝者かつ統治者が一方的に書き記した、都合の良い歴史でもあります。九世紀初頭に成立した『日本霊異記』は、とある仏教修行者が記した、個人の歴史書。雷神を捕まえる話に始まる『霊異記』は、一読すると荒唐無稽にしか思えませんが、そこには失われた日本史が隠されています。ふしぎの日本に一緒に分け入ってみませんか。

①7月17日 病気は治り、さらわれた子は見つかる(上巻第八・第九縁)
第八縁は経典の霊験によって、聞こえなくなった耳が治る話。前世の業を今の世の善行で解決する典型ですが、法会に招かれたのが野良の僧という点にも注目。国が認めた僧尼であるかは、『霊異記』にとって大きな問題ではありません。第九縁は鷲にさらわれた子と父親が再会する話。こちらはなぜか仏教色のない、天の意志を示す奇跡です。

②8月21日 輪廻からずれた「盗人」と(上巻第十縁)
第十縁は仏教に深く帰依した男が法会を開く話。しかしそれは奇妙な経緯をたどり、亡くなった父親と迎えられた野良僧を救っていきます。父は息子の財産を盗んだために牛となり、法会で息子に許され救われますが、実はこのエピソードの主役は野良僧。一読すると何から何まで不可解なストーリーを読み解きましょう。

③9月18日 地獄はすぐそこにある(上巻第十一縁と関連話)
第十一縁は漁師が突然火に包まれる話。死んで地獄に堕ちるとはよく言われますが、『霊異記』で地獄はその辺にあるもの。悪行を重ねれば、生きたまま業火に焼かれてしまいます。そこで救出される者と、そのまま死んでしまう者の違いも、『霊異記』の特徴の一つ。皆さんはどちらでしょうか。


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日程
2021/7/17, 8/21, 9/18
曜日・時間
第3週 土曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 8,910円 
設備費(税込)
330円
持ち物など
※設備費は、教室維持費です。
その他
窓口でお手続きされる方は、文学8番のちらしをご確認ください。



講師詳細

渡部 亮一(ワタナベ リョウイチ)
1970年生。立命館大学文学研究科博士課程修了。日本古代の説話や仏典注釈、万葉集などを専門とする。また花にまつわる文化史を長年にわたり雑誌連載中。古い地誌を手に、国内や台湾の街歩きも続けている。