正史が語らぬふしぎの日本古代史 『日本霊異記』入門
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  • 渡部 亮一(立命館大学非常勤講師)
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日本国の正史と扱われた『日本書紀』や『続日本紀』。現代の我々が習う日本史も、ほぼこれらが元となっていますが、勝者かつ統治者が一方的に書き記した、都合の良い歴史でもあります。九世紀初頭に成立した『日本霊異記』は、とある仏教修行者が記した、個人の歴史書。雷神を捕まえる話に始まる『霊異記』は、一読すると荒唐無稽にしか思えませんが、そこには失われた日本史が隠されています。ふしぎの日本に一緒に分け入ってみませんか。

①10/16 髑髏に逢えるのは誰なのか(上巻第十二縁、下巻第二十七縁)
 第十二縁は宇治橋碑で知られる道登の話。ただし、生前の姿になった髑髏に感謝されるのは従者だけ。下巻第二十七縁の牧人も含め、死者とのコミュニケーションのありようが正確に書かれています。そしてこれらの物語は、小野小町の髑髏が歌を詠む怪しい伝承の源流。アナメな世界に分け入りましょう。

②11/20 空を飛び、光を放つ(上巻第十三縁、第十四縁)
 『霊異記』に登場する超人たち。「聖」や「菩薩」と呼ばれる者たちですが、その能力はさまざま。第十三縁は、図らずも仙人になる修行をした母親が天に昇ります。全く仏教色のない話の次は、僧がお経を誦むと身体が光り、壁やふすまが透明になる第十四縁。仏像の光背を見るまでもなく、放光は仏教の最もポピュラーな奇跡です。

③12/18 救われるかどうかは天が知る(上巻第十五縁、第十六縁と関連話)
 第十五縁と第十六縁は、いずれも悪業の報いを受けて苦しみますが、片方は助かり、片方は死んでしまいます。両人の運命を分けたのは「天」。『霊異記』には「天年」「天骨」など、登場人物の紹介文に「天」とありますが、それは生まれた時点で定められた宿命。その時点で悪とされた者は、どれだけ努力しても助からない。皆さんは果たして?

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日程
2021/10/16, 11/20, 12/18
曜日・時間
第3週 土曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 8,910円 
設備費(税込)
330円
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講師詳細

渡部 亮一(ワタナベ リョウイチ)
1970年生。立命館大学文学研究科博士課程修了。日本古代の説話や仏典注釈、万葉集などを専門とする。また花にまつわる文化史を長年にわたり雑誌連載中。古い地誌を手に、国内や台湾の街歩きも続けている。