戦後史のなかの安倍・菅政権

  • 白井 聡(京都精華大学講師)
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昨年9月に、超長期政権と化した第二次安倍政権が退陣しました。速やかに成立したのは、菅義偉政権ですが、この政権は《安倍抜きの安倍政権》とも言うべきものであり、安倍政権と同様の無能・不正・腐敗にまみれています。
なぜ、日本政治はここまでの堕落状態に陥ってしまったのか。本講座では、戦後史全体のなかに平成期、とりわけその末期と始まったばかりの令和期を位置づけ、歴史的把握を行ないます。(3月27日に序章にあたる1日講座を行います)

【カリキュラム】
①4月17日 アベノミクスからアベノリベラリズムへ
②5月15日 外交・防衛・憲法
③6月19日 官僚専制=日本版シロビキと司法マフィア

 




①4月17日 アベノミクスからアベノリベラリズムへ
第二次安倍政権はスタートを切るなり経済政策の強調に専心した。このいわゆるアベノミクス政策の本質は何であったのか。その実態を現在への影響に至るまで多面的に考察する。安倍が連呼した「岩盤規制を打ち砕く」といったフレーズはいかにも新自由主義的なものであった一方で、政権後期には「働き方改革」や「幼保無償化」といったリベラル寄りの政策が目立つようになってくる。この転換の意味するものを考える。
②5月15日 外交・防衛・憲法
外交・防衛分野での第二次安倍政権最大の政策は、集団的自衛権の行使容認という憲法解釈上の一大変更であった。この出来事を日米安保体制の歴史のなかに位置づける。他方、アメリカにおける政権交代(トランプ政権成立)や中国の影響力増大といった状況変化のなかで、ロシアへの接近など政権後期の外交は対米従属の枠組みを見直すかのような動きを見せもする。そうしたなかで、外交防衛と密接に関係する改憲の問題は、後景に退いてゆく。これらの出来事がどのように連関していたのかを考察する。
③6月19日 官僚専制=日本版シロビキと司法マフィア
第二次安倍政権においてクローズアップされたのは「官邸官僚」の存在だった。特定の官僚が総理の側近となって政策決定に重大な影響を及ぼすこと自体は珍しくはないが、こうした側近の存在が固有名詞によって語られるまでに至ったのは異様な印象を与えた。しかもこれは、官僚政治からの脱却、「政治指導」が制度的に可能になったはずの状況において起きたのである。そこに現れたのはどのような権力構造だったのか。そして、この新しい官僚支配の中核にある治安関係者の強力化、さらに司法(検察)権力との関係を考察す
る。

お申し込み
日程
2021/4/17, 5/15, 6/19
曜日・時間
土曜 13:00~14:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,570円 一般 10,560円
設備費(税込)
330円
持ち物など
教材としてプリントをお配りする場合、実費をいただきます。
※設備費は、教室維持費です。
その他
窓口でお手続きされる方は、チラシをご確認ください。

講師詳細

白井 聡(シライ サトシ)
1977年東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。文化学園大学助教などを経て、現在、京都精華大学専任講師。専攻は社会思想・政治学。著書に『未完のレーニン―「力」の思想を読む』(講談社選書メチエ)、『「物質」の蜂起をめざして―レーニン、<力>の思想』(作品社)、『永続敗戦論―戦後日本の核心』(太田出版、第4回いける本大賞・第35回石橋湛山賞・第12回角川財団学芸賞を受賞)、『日本劣化論』(笠井潔との共著、ちくま新書)、『日本戦後史論』(内田樹との共著、徳間書店)、『「戦後」の墓碑名』(金曜日)、『戦後政治を終わらせる』(NHK出版新書)、近刊に『国体論 菊と星条旗』 (集英社新書)など多数。