藤原定家歌語り~旅の歌「思ひおきつの浜千鳥」の歌 
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  • 藤原定家
  • 伊藤伸江講師
  • 伊藤 伸江(愛知県立大教授)
講師詳細

小倉百人一首を選んだとされる藤原定家。自らの歌に関しては、生涯に詠んだ歌から特に二百首を選び、自歌合(じかあわせ)に仕立てました。『定家卿百番自歌合』には、四季歌の名歌が並びます。定家は、彼が参加し歌を詠んだ様々な催しから季節の進行に合わせて歌を選んでおり、出典は歌合、詩歌合、百首歌、五十首歌、障子歌と様々で、芸術家として積んだ研鑽の程が知られます。
今回は、『定家卿百番自歌合』の旅の歌から、著名な名所を詠んだ一番をとりあげる。定家が五十代のころ、宮中では名所を詠み込む歌が流行。この番では、左歌は古今集で紀貫之が友との詠みあった歌から興津の浜を、右歌は西行も詠んだ佐夜の中山を詠み入れている。著名な名所だけに、どのように詠むか、定家はライバル家隆と歌を見せあって、白氏文集の漢詩の情景を使った自分の工夫をさりげなく自慢。和歌の大問題、歌枕に対する定家の取り組み方を味わう。

お申し込み
日程
2023/6/7
曜日・時間
水曜 10:00~12:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,080円 一般 3,630円
設備費(税込)
165円

講師詳細

伊藤 伸江(イトウ ノブエ)
東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程修了
〈研究課題〉 中世和歌 連歌及び連歌師の紀行文 中世の日記及び随筆
〈著書〉『中世和歌連歌の研究』(単著・笠間書院)
『中世日記紀行文学全評釈集成第七巻』(共著・勉誠出版)
〈論文〉「『徒然草』第百四段の筆法─王朝的章段の描きたかったもの─」
(『国語と国文学』第78巻8号)など
〈所属学会〉 中世文学会  和歌文学会  俳文学会  日本文学協会  東大国語国文学会