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【教室受講】日本史を疑え
  • 教室開催

  • 本郷講師
  • 本郷 和人(東京大学史料編纂(へんさん)所教授)
講師詳細

 学問の進展は「疑うこと」から始まります。でも、その行為は容易ではありません。近代的な歴史学に限っても、それは150年もの蓄積がある。その間、多くの先学が研究した結果が、「定説」として確立している。それを小手先の思いつきで否定してみても、検討した結果、やっぱり「定説」の方が説得力があるね、という結果に終わってしまいます。ですから「定説」の再検討に挑むためには、やはり広い視野を持たないといけない。日本の歴史の中で、一つの歴史事象がどう存在しているのか。それを考え、整合性を大切にしながら、新しい視点を模索する。それこそが「疑うこと」の具体的なありようとなります。この講座は40年、日本史の勉強をしてきた私が、どのように「疑っているか」をお話しするものです。堅固な「定説」に対しては、所詮は蟷螂の斧、ということになるかもしれませんが、挑戦を始めてみましょう。

第一回 さあ、日本史を疑ってみよう
 ・そもそも日本史は何の役に立つのだろうか
 ・歴史用語とは何だろう? 史実とは何だろう?
 ・日本史の流れをどう捉えるか

第二回 古代
 ・文字史料が少ない古代史を読み解くためには
 ・律令制を税金から考える
 ・朝廷は全国を支配していたのか

第三回 鎌倉時代
 ・鎌倉幕府の成立年 1185年ですらない?
 ・御成敗式目はなぜ必要だったのか
 ・元寇の真実は?

7月期のご案内
第四回 室町時代
 ・鎌倉幕府を倒したのは後醍醐天皇ではない?
 ・南北朝時代が60年も続いたわけ
 ・応仁の乱の意味

第五回 戦国時代・織豊政権
 ・はやりの「信長=普通の戦国大名」説にもの申す
 ・一向宗こそ信長最大のライバル
 ・秀吉はなぜ家康を滅ぼさなかった?

第六回 江戸時代
 ・近世を中世から、近代から見てみると
 ・江戸幕府成立は1603年でいいのか?
 ・鎖国はなかった説を考える

この講座は、ご入会が必要です。会員でない方は、ご入会の手続きをお願いいたします。

お申し込み

注意事項

教室受講を承ります。オンライン受講はリンク先よりお申込みください→https://www.asahiculture.jp/course/nagoya/cdddd011-9245-f3f2-5cb9-63d50c36c4c3
教室受講でお申込みの皆様にはアーカイブ動画の配信はありません。予めご了承ください。

日程
2023/4/10, 5/8, 6/12
曜日・時間
第2週 月曜 15:30~17:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 10,890円 
設備費(税込)
495円

講師詳細

本郷 和人(ホンゴウ カズト)
1960年東京の下町に生まれ、下町に育つ。83年東京大学文学部卒業。86年、東京大学大学院人文科学科修士課程修了。88年東京大学大学院人文科学科博士課程単位取得。子どもの頃から歴史物語が大好き。いつの間にかそれが仕事になっていた。同業者で美人の妻(本郷恵子さん)との間に一男(タクトくん。ただし指揮者になる予定はない)一猫(黒猫アルトくん。ただし唱わない)あり。著書に『人物を読む日本中世史』(講談社)ほか多数。