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失敗の日本史

  • 本郷講師
  • 本郷 和人(東京大学史料編纂(へんさん)所教授)
講師詳細

歴史学は長く「歴史に『もしも』はない」といってきた。たしかに一人の人間はどんな英雄であっても社会の基礎を変えることはできないから、その考え方は妥当かもしれない。だが、たとえば徳川家康が平均寿命しか生きなかったらどうだろう。豊臣秀吉は他の大名(丹羽家や蒲生家)にしたように、領地を大幅に没収するなど、その力を削ぎにいったに違いないすると、後年の江戸幕府はなかったかもしれない。
 「もしも」を考えたら、次には歴史上の人物の「失敗」がとても気になってくる。あのとき彼がこう判断しなければ、こういう決断をしていれば。歴史の大きな動きは不変であったとしても、高校の教科書レベルで、歴史が変わっていたことは間違いない。
 本講座の試みとしては、歴史上の失敗を取り上げることで、その時代の特徴を分析しながら、なぜそれが失敗だったのかをあきらかにする。そしてもし失敗がなかったら,歴史はこう変わっていたかもしれないと推測する。
 子どもたちの歴史嫌いが言われて久しい。だが歴史が物語を語るなら、絶対に事情は変わってくるはず、と私は確信している。歴史学を暗記から解放する、歴史に物語を取り戻す、という大きなテーマの中で、歴史における「失敗」を考察していこう。

【カリキュラム】
第1回 鎌倉時代の失敗
 1,平清盛の失敗 なぜ彼は朝廷=京都に権力の足場を求めたか。
 2,源義経の失敗 なぜ軍事的天才は兄から追討を受けることになったのか
 3,源頼朝の失敗 なぜ源氏は三代で滅びてしまったか
 4,後鳥羽上皇の失敗 なぜ万能の天皇は鎌倉幕府に敗れたか
第2回 南北朝・室町時代の失敗
 1,北条高時・鎌倉幕府の失敗 なぜ足利高氏の離反後、あっという間に滅んだか
 2,建武政府の失敗 なぜたった3年で崩壊したのか
 3,春屋妙葩の失敗 なぜ日本に哲学はないのか
 4,三宝院満済の失敗 なぜ室町幕府は急速に衰退したか
第3回 戦国時代の失敗
 1,上杉謙信・武田信玄の失敗 なぜ上杉家・武田家はダメになったか 
 2,北条氏政の失敗 なぜ秀吉に頭を下げなかったのか
 3,織田信長の失敗 なぜ明智光秀を重く用いたのか
 4,豊臣秀吉の失敗 なぜ德川家康を潰さなかったか

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お申し込み
日程
2021/1/11, 2/8, 3/8
曜日・時間
第2週 月曜 15:30~17:30
回数
3回
受講料(税込)
会員 9,900円 
設備費(税込)
495円

講師詳細

本郷 和人(ホンゴウ カズト)
1960年東京の下町に生まれ、下町に育つ。83年東京大学文学部卒業。86年、東京大学大学院人文科学科修士課程修了。88年東京大学大学院人文科学科博士課程単位取得。子どもの頃から歴史物語が大好き。いつの間にかそれが仕事になっていた。同業者で美人の妻(本郷恵子さん)との間に一男(タクトくん。ただし指揮者になる予定はない)一猫(黒猫アルトくん。ただし唱わない)あり。著書に『人物を読む日本中世史』(講談社)ほか多数。