名作をもう一度 「アラバマ物語」を読む
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  • 長澤唯史先生
  • 長澤 唯史(椙山女学園大教授)
講師詳細

ハーパー・リー(1926-2016)の『アラバマ物語』(To Kill a Mockingbird)は、1960年の出版以来、現在までに3000万部を超えるベストセラーとなり、40か国語以上に翻訳されて世界中で読まれています。そして62年に制作されたロバート・マリガン監督の映画も高く評価され、主人公スカウトの父アティカス・フィンチを演じたグレゴリー・ペックが同年のアカデミー主演男優賞を受賞、2003年にアメリカ映画協会が発表した「ヒーローと悪役ベスト100」においても、アティカスが堂々の史上一位に選出されました。
 この「聖書に次ぐベストセラー」と呼ばれる『アラバマ物語』は、1930年代のアメリカ南部を舞台にして、その時代や社会を回顧的に描いています。その中心にあるのは黒人に対する人種差別であり、また他者にたいする偏見や不寛容の問題です。それは作者リーのどのような体験や過去を反映しているのかが、2006年に出版された伝記『「アラバマ物語」を紡いだ作家』(柏書房、2014)で明らかになりました。また2015年に『アラバマ物語』の続編ともいえる『さあ、見張りを立てよ』(Go Set a Watchmen)が突如出版され、そこで描かれたアティカスの姿に、かつての読者は衝撃を受けました。
 この講座では、作者ハーパー・リーの生涯を辿りながら、幼馴染のトルーマン・カポーティとの親交や相互影響を含め、『アラバマ物語』という作品の成立とその主題、アメリカ文学史上の意義について考えます。また重要なテーマである人種差別について、アメリカの奴隷制度や黒人差別の歴史や実態を辿りながら、それが原作や映画でどのように描かれているのかを掘り下げていきます。
 (講師記)

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この講座は終了しました
日程
2023/1/14, 2/11, 3/11
曜日・時間
第2週 土曜 13:30~15:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 10,560円 
教材費(税込)
資料代 660円
設備費(税込)
495円

講師詳細

長澤 唯史(ナガサワ タダシ)
1963年静岡県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻修士課程修了。豊田工業高等専門学校助教授、椙山女学園大学文化情報学部助教授などを経て、2008年より椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授。共著『日米映像文学は戦争をどう見たか』(金星堂)。論文"The Reception of American Science Fiction in Japan" (Oxford research encyclopedia of Literature,)、「ポストモダンはSFを夢みる ―SFをめぐる批評理論の概観」(『文学』第8巻第4号)。その他、『文藝別冊』(河出書房新社)にてロック、ポップミュージックに関する論考を発表している。