名作をもう一度 「白鯨」

  • 長澤唯史先生
  • 岩波文庫提供
  • 長澤 唯史(椙山女学園大教授)
講師詳細

ハーマン・メルヴィルの『白鯨』(1851)は、あの気難しいサマセット・モームが「世界の十大小説」の一つに選ぶなど、長い間世界文学の名作として評価され、読み継がれてきた作品です。ですが、この重厚長大で奇妙奇天烈な小説を読み通すのは、じつはなかなか骨の折れることです。肝心かなめのエイハブ船長はなかなか登場しないし、読者が少し油断してるとすぐに、鯨の生態とか鯨の骨とか鯨の絵の歴史とかについてのうんちくが、延々と語られたりします。
そもそもひたすらクジラを追いかけるだけの物語が、原書で五百頁以上、翻訳だと文庫三冊。そんなに紙幅を費やして、いったい何を語っているのでしょうか。こんな「一見さんお断り」的なこの『白鯨』ですが、作者メルヴィルやその生きた時代、アメリカの捕鯨の歴史、この作品が評価されるまでの経緯、二十世紀から二十一世紀へといたる批評の変遷など、本編に負けず劣らず語るべきエピソードに彩られた作品です。
この講座では三回に分けて、『白鯨』という作品のおもしろさと、それを読むためのさまざまな周辺知識などについて、できるだけわかりやすく解説していきます。(講師記)

中途受講はできません

お申し込み
日程
2021/1/23, 2/27, 3/27
曜日・時間
土曜 13:30~15:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 10,560円 一般 11,220円
教材費(税込)
資料代 660円
設備費(税込)
495円

講師詳細

長澤 唯史(ナガサワ タダシ)
1963年静岡県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科英米文学専攻修士課程修了。豊田工業高等専門学校助教授、椙山女学園大学文化情報学部助教授などを経て、2008年より椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授。共著『日米映像文学は戦争をどう見たか』(金星堂)。論文"The Reception of American Science Fiction in Japan" (Oxford research encyclopedia of Literature,)、「ポストモダンはSFを夢みる ―SFをめぐる批評理論の概観」(『文学』第8巻第4号)。その他、『文藝別冊』(河出書房新社)にてロック、ポップミュージックに関する論考を発表している。