災厄の文学──カミュ『ペスト』を読みなおす

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  • 講師著書
  • 森本 淳生(京都大学人文科学研究所准教授)
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カミュの『ペスト』 を、フランス文学のたんなる古典作品ではなく、「私たちの作品」として読みなおす試みです。アルジェリアの港町オランはペスト流行のために都市封鎖を余儀なくされ、 閉じ込められた人々は疫病とともに生きることを強いられました。感染の現実をなかなか直視できない市当局、 逃げ場のない状況のなかで様々な反応を示す市民たち、重症者の治療に黙々と携わる医療従事者たち──1947年に出版されたこの小説には、都市のロックダウンや迷走する政策、医療崩壊を目の当たりにした私たちにとって既視感のある光景がくり広げられていますが、カミュがなによりも描こうとしたのは、こうした「不条理」な状況に抵抗し闘う人間の尊厳や自由、あるいは、困難の中での連帯の意味でした。感染収束までを描く『ペスト』が、私たちがおかれたその時々の状況に応じて異なる読み方を許容する作品であることは間違いありません。 戦争や地震など「災厄」を扱った作品にも目を配りながら読んでみましょう。
【人文学への誘い~京都大学人文科学研究所協力講座】
京都大学人文科学研究所は、戦前に設立された東方文化研究所、西洋文化研究所と、旧京都大学人文科学研究所が合併し、1949年に京都大学の附置研究所として設置されました。アジア、ヨーロッパ、日本の文化に関する長い研究伝統を活かし、世界文化に関する総合的研究を行うことを使命とする、国内最大級の人文科学系研究機関です。

受付一時中止
日程
2021/4/3, 4/17
曜日・時間
土曜 10:30~12:00
回数
2回
受講料(税込)
会員 4,840円 一般 4,840円
設備費(税込)
220円
持ち物など
筆記用具
教材として資料をお配りする場合は、随時実費をいただきます。
※設備費は、教室維持費です。
その他
オンライン講座を併設します。

講師詳細

森本 淳生(モリモト アツオ)
平成5年3月、京都大学文学部文学科フランス語学フランス文学専攻卒業。平成7年3月、京都大学大学院文学研究科フランス語学フランス文学専攻修士課程修了。平成8年8月、京都大学大学院文学研究科フランス語学フランス文学専攻博士後期課程中途退学。平成8年9月1日〜平成17年8月31日、京都大学人文科学研究所助手。平成17年7月、ブレーズ・パスカル=クレルモン第二大学博士(フランス文学・文明)。平成17年9月1日〜平成28年3月31日、一橋大学大学院言語社会研究科助教授(平成19年4月より准教授)。平成28年4月1日より現職。