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古墳の副葬品は何を意味するのか
古代国家成立の謎をとく
- 教室開催
- 西川 寿勝(元大阪府立狭山池博物館学芸員)
考古学は、主に発掘成果の遺構・遺物を分析することによって歴史復元する学問です。
今回は、博物館展示や遺跡見学でよく耳にする古墳の副葬品について、それらの年代、特異性、希少性などを解説します。
古墳副葬品には、宝器(ほうき)説、葬送道具(そうそうどうぐ)説、生前愛用品説、神器説など様々な仮説があります。勾玉(まがたま)の起源は何か? 供献土器に食物を入れたのか? 研究の最前線を紹介します。
① 4月27日(木) 「総論、古墳の内部構造から何がわかるのか」
古墳の副葬品の基礎知識です。前期古墳の鏡・剣・玉類から、被葬者が呪術や祭祀を重視していたことが復元されます。また、中期古墳の武器・武具は、五世紀倭王権の軍事力の高まりが推定されます。後期古墳の馬具や冠は半島の百済(くだら)や伽耶(かや)との連携をうかがい知る資料とされます。石室構造と棺・副葬品の変遷をたどりながら古墳文化研究の最前線を解説します。
② 5月25日(木) 「勾玉・管玉と腰帯かざり」
わが国独自の装身具の歴史を紐解きます。勾玉・管玉の起源は何か? 石釧・鍬形石の意味は? さらに奈良県新山(しんやま)古墳出土の渡金龍紋帯金具にスポットを当て、大正時代から続く中国系文物の流入論争を解説します。
③ 6月22日(木) 「飾り馬と埴輪馬」
馬と牛は渡来時期や飼育主体が微妙に異なります。埴輪の牛馬からその役割や普及を検討します。馬具を古墳に副葬する地方豪族は本当に馬を飼っていたのか? 馬具や刀剣を豪族たちに配布した継体天皇の戦略について、諸説を紹介します。
- 日程
- 2023/4/27, 5/25, 6/22
- 曜日・時間
- 第4週 木曜 13:30~15:00
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,570円
- 設備費(税込)
- 330円
- 持ち物など
- 持ち物:筆記用具 教材として資料をお配りする場合は、随時実費をいただきます。
※設備費は、教室維持費です。
- その他
- 窓口でお手続きされる方は、「歴史・文学・芸術・科学―4」のちらしをご覧ください。
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講師詳細
- 西川 寿勝(ニシカワ トシカツ)
- 1965年生。奈良大学文学部文化財学科卒。奈良国立文化財研究所研究補佐員など。著書として『三角縁神獣鏡と卑弥呼の鏡』(学生社)、『倭王の軍団』(新泉社・共著)、『邪馬台(ヤマト)国』(雄山閣・共著)、『日本古代史の論争51』(新人物往来社・共著)など。