古都京都の近代 「京都らしさ」の歴史学
- 高木 博志(京都大学人文科学研究所教授)
雅で貴族的、「もてなし」文化の「京都らしさ」は、明治維新をへた近代に古都として創り出されてきたイメージです。この講座では、日本近代史を専門とする歴史学者が、3回にわたり、古都京都の魅力を紹介します。「ブラタモリ」ならぬ辛口の「ブラタカギ」の教室編です。
各回オンライン講座を併設します。
第1回「京都御所から京都御苑へ」
平安遷都以後、天皇がいた「みやこ」であった京都が、東京遷都後にどのように歴史都市となってゆくかを考えます。
第2回「嵯峨と宇治の古典世界の創出」
嵯峨の祇王寺が明治中期に平安朝の物語とともに再興され、宇治は「平家物語」の雄々しい軍記物の世界から「源氏物語」の女性的なものへとイメージを、明治維新後に一変します。
第3回「祇園の光と影」
明治維新後に京都の花街の中で、祇園が突出した芸舞妓の「もてなしの文化」の中心となる一方で、売春防止法(1956年)までは娼妓も多く存在しました。
【人文学への誘い~京都大学人文科学研究所協力講座】
京都大学人文科学研究所は、戦前に設立された東方文化研究所、西洋文化研究所と、旧京都大学人文科学研究所が合併し、1949年に京都大学の附置研究所として設置されました。アジア、ヨーロッパ、日本の文化に関する長い研究伝統を活かし、世界文化に関する総合的研究を行うことを使命とする、国内最大級の人文科学系研究機関です。
- 日程
- 2021/4/17, 5/15, 6/19
- 曜日・時間
- 土曜 13:30~15:00
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 7,260円 一般 7,260円
- 設備費(税込)
- 330円
- 持ち物など
- 持ち物:筆記用具 教材として資料をお配りする場合、実費をいただきます(1枚20円)。
※設備費は、教室維持費です。
- その他
- 窓口でお手続きされる方は、「京大人文研-2」のちらしをご覧ください。
講師詳細
- 高木 博志(タカギ ヒロシ)
- 1988年立命館大学文学研究科博士課程後期修了、1991年北海道大学文学部助教授、1998年京都大学人文科学研究所助教授、2012年同教授。主な著書に、『近代天皇制の文化史的研究―天皇就任儀礼・年中行事・文化財』『近代天皇制と古都』『陵墓と文化財の近代』『博物館と文化財の危機(共編)』など。