中国考古学の新発見から日本史を見直す〈9月〉 英彦山信仰の成立と国際関係

  • 桃﨑 祐輔(福岡大学人文学部歴史学科教授)
講師詳細

 現在の中国では、驚くべき勢いで考古学の調査が進展しています。重要遺跡の発掘と発見だけでなく、最新の科学的研究法の導入によって、日本や韓国の研究が追い抜かれるのは時間の問題です。またその成果は、日本の考古学や歴史学に重大な影響があります。
 しかし日中交流の停滞で、中国の最新成果は一般市民にはもちろん、専門家にさえ十分知られていません。本講座では、ささやかではありますが、講師の桃﨑が2018年度の在外研究中に中国で見聞した研究成果や新資料の知見をもとに、日本考古学や日本史の重要問題と関係するものを中心に解説したいと思います。(講師・記)
※2019年4月開講、全9回

<今回のテーマ>
「英彦山信仰の成立と国際関係-北魏僧の開基伝承と中国海商の伝説の背景を考える」
添田町の英彦山は明治時代の神仏分離令で壊滅するまで、西日本最大の信仰範囲を誇る霊山 でした。現在英彦山神宮が中心となって修験道の復興が進められています。彦山の起源は継体天皇二十五年(531)、中国北魏の僧、善正が彦山で修行中、日田の猟師の藤原恒雄に会い殺生の罪を説き、聞き入れない恒雄が射た白鹿を3羽の鷹が出現して生き返らせ、藤原恒雄は善正に帰依し、英彦山二祖の忍辱上人となったと伝えます。また『彦山流記』には第二蔵持山窟について、五百人もの中国商人が蔵持山虎珀窟の虎珀珠を取ろうとしたため神の怒りで討ち果たされ、その髑髏が五百石となったと伝えます。伝説の背後にある日中関係を考えます。


※このページは各回申込専用のページです。
4-9月通してお申し込みの方は専用ページからお申し込みください。
https://www.asahiculture.jp/course/kitakyushu/aea68e1b-3b54-180f-fa86-5c4ab8cbd614

この講座は終了しました
日程
2019/9/21
曜日・時間
第2週 土曜 13:00~15:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,132円 一般 3,132円
設備費(税込)
108円

講師詳細

桃﨑 祐輔(モモサキ ユウスケ)
1967年(昭和42年)3月12日生まれ、52歳 福岡大学人文学部教授(考古学)
福岡県福岡市出身 筑波大学大学院歴史・人類学研究科文化人類学専攻を単位取得退学。東京国立博物館事務補佐員、筑波大学助手を経て2004年に福岡大学に着任。2018年に中国社会科学院考古研究所・吉林大学・西北大学で1年間の在外研究に従事。ユーラシア騎馬文化・中近世仏教考古学が専門で「中世とは何か」の解明をめざす。
主な著作に「高句麗太王陵出土瓦・馬具からみた好太王陵説の評価」(『海と考古学』2005)、「七支刀の金象嵌銘技術にみる中国尚方の影響」『文化財と技術 4』2005)、「中世棒状鉄素材に関する基礎的研究」(『七隈史学』第10号)、「九州の屯倉研究入門」(『還暦、還暦?、還暦!』2010)、「九州出土子持勾玉研究入門」(『福岡大学考古学論集2』2013)、桃崎祐輔「騎馬文化の拡散と農耕文明との融合-江上騎馬民族征服王朝説が描く文化融合モデルとその今日的意義-」(『今、騎馬民族説を見直す』2014)「山の神古墳出土馬具の検討―2セットのf字形鏡板付轡・扁円剣菱形杏葉の年代とその意義―」(『山の神古墳の研究』2015)「金属容器」(『モノと技術の古代史 金属編』2017)「英彦山信仰遺跡と遺物からみた英彦山の歴史」(『英彦山の宗教民俗と文化資源』2017)など