「フランス美術」講座 「エッフェル塔を描いた画家たち」 「原田マハとアンリ・ルソー 夢」他

  • 武末祐子講師
  • 武末 祐子(西南学院大学外国語学部外国語学科 教授)
講師詳細

1)1月11日(月) エッフェル塔を描いた画家たち
 1889年、パリで開催された万国博覧会のシンボルともなったエッフェル塔は、現在ではフランスのシンボルともいえる。そして技師ギュスターブ・エッフェルの指揮のもと建設された鉄の塔は、フランス産業革命のシンボルでもあった。これまでヨーロッパではすべて石の建築物しかなかったが、300mの鉄の塔が出現したことで、高層建築の概念もまた変化した。エッフェル塔は当時、スキャンダラスな塔であった。エッフェル塔嫌いのモーパッサンが「ここがパリの中で唯一エッフェル塔を見なくてすむ場所だ」と言って塔のレストランに通っていたことはよく知られている。では、エッフェル塔を描いた画家たちはどのように描いたのだろうか。スーラ、デュフィ、ドローネー、ルソーなどのエッフェル塔をとおして、なぜエッフェル塔がこれほど有名になったのか、考えてみよう。
2)2月22日(月) 原田マハとアンリ・ルソー「夢」
 「美術史とミステリーは相性がいい。犯罪の種類、複雑な謎、謎ときの苦労と興奮そして最後に真相という過程がよく似ている」と美術批評家の高階秀爾は書いている。ニューヨーク近代美術館(通称MoMA)と大原美術館、それにスイスのバーゼルを結び、MoMAにあるアンリ・ルソーの絵画「夢」の真贋鑑定をめぐる原田マハの小説「楽園のカンヴァス」はさわやかな印象が残る物語である。ホワイトキューブのMoMAと大きな吹き抜けのある大原美術館、そして保養地バーゼルがリッチな空間を与えながら、ルソーの時代と100年後の現代の時空を超えた人間模様の重なりが興味深い。実際のルソーの絵とこの小説での着眼点を比較してみよう。
3)3月8日(月)「聖アントニウスの誘惑」を描いた画家たち~シュールな感覚を読み解く~
 聖人アントニウスの聖人伝をテーマにして描かれた「聖アントニウスの誘惑」は、多くの画家によって描かれた。少しあげるだけでも、ブリューゲル、ボッス、ショーンガウアー、グリュネヴァルド、ダリ、エルンストなど中世以降の画家の好むテーマの一つとなっている。人はそれほど誘惑には弱いということであろうか。オランダやドイツの画家が主に取り上げているが、幻想的な登場人物からリアルな描き方まで、宗教画から風刺画までの広範囲で解釈できそうだ。ドイツで生まれ、フランスに帰化したマックス・エルンストはシュールレアリズムを代表する画家である。この絵のどこにアントニウスはいるのだろうか。この他にも同じ題名の絵画を取り上げて、その魅力を比較してみよう。

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日程
2021/1/11, 2/22, 3/8
曜日・時間
第2週 月曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 7,920円 
設備費(税込)
330円
持ち物など
筆記用具をお持ちください。


講師詳細

武末 祐子(タケマツ ユウコ)
西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻教授。西南学院大学卒業。1986年~1987年、フランス政府給費留学生。1987年、グルノーブル第3大学フランス文学研究科DRS(博士)。1995年、パリ・ソルボンヌ第4大学DEA取得。専門は、フランス19世紀文学。研究テーマはグロテスク美学。著書は『グロテスク・美のイメージ―ドムス・アウレアからフロベールまで』(春風社)など。フランス語教育にも関心があり、論文執筆・発表を行っている。