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考えることと行為することーハンナ・アレント『人間の条件』を読…
オンライン講座
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- 円谷 裕二(九州大学名誉教授)
考えることと行為することは人間の生の根本条件ですが、この両者はどのように異なりまたどのように関係するのでしょうか。この問題は、古来から哲学の根本問題であり、理論と実践、哲学と政治、聖と俗、学問と実生活、非日常と日常の対比など、さまざまなヴァリエーションにおいて論じられてきました。
近現代の代表的な思想家の間でも、例えば、カントは理論理性に対する実践理性の優位を説き、またマルクスは「哲学者は世界をさまざまに解釈するだけであるが、大切なのは世界を変革することだ」と語り哲学よりも政治的実践を重視しました。他方、ハイデガーは、実践に先立つ思索を最高の活動だと強調しました。ハンナ・アレントは、古代ギリシア以来の西洋哲学の全史を視野に収めながら、自らが哲学者と呼ばれることを好まず、政治的実践「活動」という彼女の独自の概念を打ち出すとともに、晩年には「思考」・「意志」・「判断力」という精神の働きをも重視しました。
本講座では、アレントの主著である『人間の条件』の読解を通して、考えるとは何か、行為するとは何か、ひいては現代において「生きる」とはどういうことなのかについて、皆さんとともに議論してみたいと思います。
なお、テキストとしては、ハンナ・アレント著『人間の条件』(ちくま学芸文庫、志水速雄訳)を用いますので、各自でご用意下さい。
〈ご案内事項〉
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・本講座はメール登録のある受講者全員に後日アーカイブ動画(1週間限定配信)のリンクをお送りいたします。期間内は受講者は何度でもご視聴いただけます。
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- 日程
- 2023/7/5, 7/19, 8/2, 8/16, 9/6, 9/20
- 曜日・時間
- 第1週・第3週(原則) 水曜 15:30~17:00
- 回数
- 6回
- 受講料(税込)
- 会員 15,840円
- 設備費(税込)
- 1,320円
- 持ち物など
- ハンナ・アレント著『人間の条件』(ちくま学芸文庫、志水速雄訳 1,650円)を各自でご用意下さい。
筆記用具。
※設備費は、教室維持費です。
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講師詳細
- 円谷 裕二(ツブラヤ ユウジ)
- 東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得満期退学。信州大学教養部助教授、九州大学大学院哲学講座助教授、教授を経て、現在は九州大学名誉教授。主としてドイツ哲学およびフランス哲学を研究し、ここ十年は現代の政治哲学に関心を向ける。主な著書として『経験と存在―カントの超越論的哲学の帰趨』(東京大学出版会、2002年、303頁)、『近代哲学の射程―有限と無限のあいだ』(放送大学教育振興会、2003年、236頁)、『知覚・言語・存在―メルロ=ポンティ哲学との対話』(九州大学出版会、2014年、418頁)、『デカルトとカント―人間・自然・神をめぐる争い』(北樹出版、2015年、235頁)、論文「哲学と政治―ハンナ・アーレントの行為論に即して―」(2017年)、論文「カントの超越論的哲学からアーレントの政治哲学へ―根源悪と人権概念をめぐって―」(2018年)など。