「フランス美術」講座 「廃墟はなぜ美しいのか」「フランス式庭園と英国式庭園」「ギュスターブ・モローのサロメ」

  • 武末祐子講師
  • 武末 祐子(西南学院大学外国語学部外国語学科 教授)
講師詳細

1) 6月12日 「ギュスターブ・モローのサロメ」~宮殿と女性と装飾~
 2019年福岡市立美術館で開催された「ギュスターブ・モロー展」に行ったとき、モローの「出現」と題された作品の迫力に圧倒された。142×103cmの巨大とはいえない人間の身長ぐらいのキャンバスであったが、そこには不思議なオーラが立ち上がっていた。それは何だったろう。
 モローには特に聖書の小物語サロメを描いた作品群がある。「出現」と呼ばれる作品は、一見しただけでは、画面の中央の光の中に浮かんでいる首を美しい女性が指さしている、意味がよくわからない絵画である。19世紀後半にこのような歴史画を描いたモローの作品をどのように読み取るか、 一視点を提案してみたい。そこに描かれている人物と背景と装飾の関係の不思議さに注目することになろう。
2)7月10日 「廃墟はなぜ美しいのか」~ユベール・ロベールとピラネージ~
 日本の廃墟というと、「建物・城郭・市街などのあれはてた跡」(広辞苑)という意味で、探検家たちは荒れ果てた町や村、学校や病院、工場や遊園地などを訪れて肝だめしのような場として恐怖を味わって戻ってくる。
 ヨーロッパの廃墟はどうだろうか。古い町や村は確かにあるが、古代ギリシア・ローマに遡るほど古いものもある。放棄されていた、あるいは存在し続けた年月が長い。 18世紀、古代ローマの廃墟に誰が訪れ、どのような感情・感覚を抱いたのか。絵画にするほど美しいのか。彼らは廃墟の絵画や版画を残したのだ。
 この講座では、廃墟の美はどこ(何)から生じるのか考えてみたい。取り上げるのはユベール・ロベール、C.J.・ヴェルネ、パニーニ、ピラネージなど。
3)9月11日「フランス式庭園と英国式庭園」~ベルサイユ庭園とピクチャレスク~
 ベルサイユ宮殿・庭園に代表されるフランス式整形庭園と18世紀にイギリスで現れたイギリス風景式庭園はよく比較対照されて捉えられる。シンメトリー=対称性に基づくフランス式庭園とアシンメトリー=非対称性のイギリス式庭園の着想は起源が異なる。 この講座では美学の観点からヨーロッパの庭園の美について考察する。18世紀後半から19世紀にかけて流行したピクチャレスク(絵のようなさま)とはどのようなものか。7月の講座「廃墟はなぜ美しいのか」における廃墟を取り入れたプチ・トリアノン(マリー・アントワネットが好んだベルサイユ庭園の一画、アモーと呼ばれる)についても解説する。                                         

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この講座は、初回からの受講料を全額いただきます。

お申込みはお電話092-431-7751で

注意事項

4月10日、5月8日の振替→7月10日、9月11日

日程
2020/6/12, 7/10, 9/11
曜日・時間
第2週 金曜 10:30~12:00
回数
3回
受講料(税込)
会員 7,920円 
設備費(税込)
330円
持ち物など
筆記用具をお持ちください。


講師詳細

武末 祐子(タケマツ ユウコ)
西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻教授。西南学院大学卒業。1986年~1987年、フランス政府給費留学生。1987年、グルノーブル第3大学フランス文学研究科DRS(博士)。1995年、パリ・ソルボンヌ第4大学DEA取得。専門は、フランス19世紀文学。研究テーマはグロテスク美学。著書は『グロテスク・美のイメージ―ドムス・アウレアからフロベールまで』(春風社)など。フランス語教育にも関心があり、論文執筆・発表を行っている。