中国からみた魏志倭人伝

  • 講師
  • 加藤 徹(明治大学教授)
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日本人は「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」を「日本史」の史料として読みます。日本史の教科書にも出てきます。しかし著者の陳寿は中国人でした。彼はこの 記録をあくまで「中国史」の一部として書いたのです。陳寿は、中国文明衰退の予感と、中国文明の遺産を継承する外国は古代の日本を含む東夷の世界になるだ ろう、という予測を婉曲に述べています。当時の中国人の視点から「魏志倭人伝」を読み直すと、邪馬台国の女王・卑弥呼の時代の日本は、また違ったイメージ で見えてきます。
実は「魏志倭人伝」という本は存在しません。陳寿が書いた歴史書『三国志』の中の「魏書」の、さらにその中の「烏丸鮮卑東夷伝」の「倭人について書いてあ るくだり」を指して「魏志倭人伝」と呼んでいるだけです。「烏丸鮮卑東夷伝」全体を読まずに「魏志倭人伝」だけを拾って読むと、いろいろ誤解してしまいま す。
 本講座では、『三国志』を書いた陳寿の著述スタンスや、当時の中国人の世界観や「国の格付け」のコンセプトについて、わかりやすく説明します。

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日程
2019/10/31
曜日・時間
木曜 15:30~17:00
回数
1回
受講料(税込)
会員 3,080円 一般 3,520円
設備費(税込)
110円

講師詳細

加藤 徹(カトウ トオル)
1963年生まれ。東京大学文学部、同大学大学院で中国文学を専攻。広島大学総合科学部助教授を経て、現在、明治大学法学部教授。著書:『京劇』(中公叢 書・サントリー学芸賞)、『漢文力』(中公文庫)、『西太后』(中公新書)、『漢文の素養』(光文社新書)、『貝と羊の中国人』(新潮新書)、『怪力乱神』(中央公論新社)、『梅蘭芳 世界を虜にした男』(ビジネス社)、『中国人の腹のうち』(廣済堂出版)、『東洋脳×西洋脳』(共著・中央公論新社)などがある。