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漱石の漢詩
南画趣味時代を中心に
- 教室開催
- 黒田 眞美子(元法政大学教授)
漱石の漢詩は、「日本人の漢語の詩として、めずらしくすぐれる」(吉川幸次郎『漱石詩注』序)と評価されています。ただ南画趣味時代の作は、単なる余技としか見られていません。ところが吟味してみると、それらの評価は「風流」の仮面に欺かれて、真の本質を理解していない結果に過ぎません。幼少期から培われた豊かな漢籍と南画趣味の蓄積が凝縮されて、彼の心情と理想を余すところなく表現しています。彼自身が描いた絵画を鑑賞しながら、諸篇が如何なる特質を有するか、考究したいと思います。
<7月期講座>
春の講座では、「春日偶成」十首を中心に鑑賞しました。春を迎えた自然界のみずみずしい美しさが、五感を駆使した繊細な表現によって描かれていることを味わいました。夏の本講座では、いよいよ漱石自身がその景観を描出した画と題画詩を中心に、そこに託された漱石の理想や願望を読み解いていきます。その際、一語一語の典故や意味を正しく把握し、各句各聯の関わりを追究して技巧的要素をも理解しながら、漱石の真情に迫りたいと思います。
- 日程
- 2022/7/19, 8/16, 9/20
- 曜日・時間
- 第3週 火曜 15:30~17:00
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,900円
- 設備費(税込)
- 495円
- 持ち物など
- プリント教材使用のため、コピー代(現金のみ)
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講師詳細
- 黒田 眞美子(クロダ マミコ)
- 東京大学大学院博士課程修了。元法政大学教授。博士(文学)。専門は、中国六朝唐代文学。主な論著:『韋應物詩論』(汲古書院)、「夏目漱石の中国文学受容」(『日本文學誌要』第95・96号)、「夏目漱石 初期の漢詩」(『法政大学文学部紀要』第81~85号)、共編『中国古典小説選』全12巻(明治書院)、訳注『聊齋志異』(光文社古典新訳文庫)など。