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漢詩を味わう 白楽天詩を中心に
- 教室開催
- 黒田 眞美子(元法政大学教授)
日本で有名な漢詩人の一人である白楽天(772~846)の詩の魅力は、何でしょうか。簡明さなど数多あると思いますが、彼の字(あざな)が表すように、「楽天」主義がその一つといえましょう。安史の乱後の複雑な政治状況の中で、四十代半ばに左遷の憂き目に遭いながらも、後半の人生は他の詩人達に比べて安定した生活を過ごすことができました。それも彼の賢明な選択と「楽天」的価値観ゆえだったと考えられます。その中から生まれた詩篇は、未曽有のパンデミックに見舞われている我々に道標、あるいは啓示を与えてくれるのではないでしょうか。
第1回:4/5(火)
昨年秋の講座から白詩の代表作を鑑賞しているが、これまで絶句を中心に読んできた。春の講座では、律詩を対象にして絶句との比較も勘案しながら、その特質を
考察する。翰林院時代の作「王十八の山に帰るを送る~」を読む。
第2回:5/31(火)
5月も翰林院時代の作を取り上げる。左遷されて江陵にいる親友の元稹を想う作。「八月十五日夜禁中に独り直して月に対して元九を憶ふ」
第3回:6/7(火)
引き続き律詩を対象に、江州左遷時代の作を読む。『枕草子』などにも引かれた香炉峰の作。白居易の価値観の変容を探る。
- 日程
- 2022/4/5, 5/31, 6/7
- 曜日・時間
- 火曜 15:30~17:00
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 8,910円
- 設備費(税込)
- 330円
講師詳細
- 黒田 眞美子(クロダ マミコ)
- 東京大学大学院博士課程修了。元法政大学教授。博士(文学)。専門は、中国六朝唐代文学。主な論著:『韋應物詩論』(汲古書院)、「夏目漱石の中国文学受容」(『日本文學誌要』第95・96号)、「夏目漱石 初期の漢詩」(『法政大学文学部紀要』第81~84号)、共編『中国古典小説選』全12巻(明治書院)、訳注『聊齋志異』(光文社古典新訳文庫)など。