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漢詩を味わう
白楽天詩を中心に
- 教室開催
- 黒田 眞美子(元法政大学教授)
日本で有名な漢詩人の一人である白楽天(772~846)の詩の魅力は、何でしょうか。平易簡明など数多あると思いますが、彼の字(あざな)が表すように、「楽天」主義がその一つといえましょう。安史の乱後の複雑な政治状況の中で、四十代半ばに左遷の憂き目に遭いながらも、後半の人生は他の詩人達に比べて安定した生活を過ごすことができました。それも彼の賢明な選択と「楽天」的価値観ゆえだったと考えられます。その中から生まれた詩篇は、未曽有のパンデミックや波乱含みの世界情勢に見舞われている我々に道標、あるいは啓示を与えてくれるのではないでしょうか。
<7月期講座>
これまで序論として白楽天の履歴や当時の時代背景、白詩概論を解説すると同時に、作品を味読するという二本立てでやってきました。夏の講座から、いよいよ作品鑑賞に専念して白詩を考察し、その本質に迫りたいと思います。春の講座では44歳の江州左遷以前の代表作を読みましたが、時系列に沿って、左遷前後の作を対象に読み進めていきます。その際、一語一語の典故や意味を厳密に把握し、各句各聯の関係性を見出して、全体の構成を理解するなど、技巧面にも配慮して、白詩が内容、技巧ともに、単に分かりやすい(「白俗」)だけではない水準の高さを保持していることを明らかにします。
- 日程
- 2022/7/5, 8/2, 9/6
- 曜日・時間
- 火曜 15:30~17:00
- 回数
- 3回
- 受講料(税込)
- 会員 9,900円
- 設備費(税込)
- 495円
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講師詳細
- 黒田 眞美子(クロダ マミコ)
- 東京大学大学院博士課程修了。元法政大学教授。博士(文学)。専門は、中国六朝唐代文学。主な論著:『韋應物詩論』(汲古書院)、「夏目漱石の中国文学受容」(『日本文學誌要』第95・96号)、「夏目漱石 初期の漢詩」(『法政大学文学部紀要』第81~84号)、共編『中国古典小説選』全12巻(明治書院)、訳注『聊齋志異』(光文社古典新訳文庫)など。